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日本ユニセフ協会
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シリア 止まぬ保健・医療施設への攻撃
命を守る予防接種キャンペーンを中断
非道な暴力に終止符を
ユニセフ、WHOが声明

【2016年6月2日  アンマン(ヨルダン)/カイロ(エジプト)発】

ユニセフ(国連児童基金)の中東・北アフリカ地域事務所代表ピーター・サラマとWHO(世界保健機関)東地中海地域事務所代表アラ・アルワン氏は、危機的な状況にあるシリア国内の保健・医療に関し、共同で声明を発表しました。

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ユニセフ、共同声明を発表

アレッポ郊外にある村の医療センターの外で順番を待つ家族や子どもたち。

© UNICEF/UN018095/Al-Issa

アレッポ郊外にある村の医療センターの外で順番を待つ家族や子どもたち。

シリア国内のいたるところで激化する戦闘や暴力により、私たちは100万人を超える子どもたちに予防接種や命を守る機会を提供できない恐れがあります。

例えば、イドリブで保健・医療施設や関係者への攻撃が急増したことによって、保健員や市民の安全に懸念が生じたため、現地での予防接種キャンペーンは一時中断されました。

5月31日には、WHOや国連機関が支援する救急センターが攻撃を受けました。その結果、2台の救急車が破壊され、隣接するアル・ワタ二イ病院は緊急治療室を除き閉鎖を余儀なくされました。たった一日で、子どもを含む50人以上の市民が命を落とし、250人が負傷したと報告されています。

保健・医療施設への攻撃

アレッポ郊外にある村の医療センターで予防接種を受ける子ども。

© UNICEF/UN018085/Al-Issa

アレッポ郊外にある村の医療センターで予防接種を受ける子ども。

同じようなことはシリアの他の地域でも報告されており、予防接種キャンペーンの実施を脅かしています。6月1日、ユニセフが支援するアレッポの診療所が攻撃に遭い、40人以上が負傷しました。そのうち一人の妊婦は、赤ちゃんを亡くしました。今週初めにも、アレッポ近郊の町ハリタンの病院が損傷しました。また5月23日には、ラタキアのジャブレ国立病院が爆撃され、患者や付き添いの家族40人以上、医師1人、看護師2人が命を落としました。

今年に入ってから、シリア全土で17の保健・医療施設が攻撃されたと報告されています。いま、シリアで機能している病院は、全体の3分の1にすぎません。

4月25日、予防接種キャンペーンで移動保健チームから予防接種を受けるアレッポの子ども。

© UNICEF/UN018093/Al-Issa

4月25日、予防接種キャンペーンで移動保健チームから予防接種を受けるアレッポの子ども。

WHOとユニセフは、予防接種キャンペーンを安全に再開できるよう、紛争に関わるすべての当事者に対し、シリア内で続く暴力に終止符を打つよう呼びかけています。

保健・医療施設への攻撃は、回数、規模ともに拡大しています。こうした攻撃は、国際人道法を甚だしく侵害する行為です。保健・医療従事者、患者、施設は守られなければなりません。そして人々は、緊急に保健・医療サービスが必要なとき、制限なくそのサービスを受けることができなければなりません。

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