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日本ユニセフ協会
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国際社会の新たな目標
子どもへの暴力撤廃のための
新たなパートナーシップ

【2016年7月12日  ニューヨーク発】

性暴力の被害を受け、妊娠、出産を経験した16歳の女の子。ユニセフが支援する女の子のための保護センターで、子どもを育てながら心理社会ケアと教育を受けている(ソマリア)

© UNICEF/UNI126735/Holt

性暴力の被害を受け、妊娠、出産を経験した16歳の女の子。ユニセフが支援する女の子のための保護センターで、子どもを育てながら心理社会ケアと教育を受けている(ソマリア)

7月12日、ユニセフ(国連児童基金)は、パートナー機関とともに、子どもに対する暴力撤廃に取り組むための新たなパートナーシップを立ち上げました。「子どもへの暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップ(End Violence Against Children - The Global Partnership)」は、各国政府、国連機関、市民社会、財団、研究者、民間セクター、若者たちが、2030年までに子どもへの暴力を撤廃するという、国際社会の新たなターゲット達成のために協力する取り組みです。

世界を動員するパートナーシップ

「グローバル・パートナーシップは、世界を動員します。『持続可能な開発のための2030アジェンダ』の掲げるビジョンの実現を助けるために、これ以上意味のあることはありません」潘基文事務総長は述べています。

両親に育児放棄され、路上で3年間暮らしていた7歳の女の子。ユニセフが支援するセンターに保護された。(ニカラグア)

© UNICEF/NYHQ2012-1461/Dormino

両親に育児放棄され、路上で3年間暮らしていた7歳の女の子。ユニセフが支援するセンターに保護された。(ニカラグア)

各国政府は、持続可能な開発目標(SDGs)の中で、「2030年までに子どもに対する虐待、搾取、人身取引およびあらゆる形態の暴力および拷問を根絶する」という、野心的なターゲットを掲げました。グローバル・パートナーシップを通して、政府や関係機関は、この重要な目標達成に向けて進展を加速させるために、資金や専門知識を蓄積することができるのです。

「毎日、すべての国、すべてのコミュニティーで、子どもたちは暴力の犠牲になっています。そしてしばしば、暴力は“ふつうのこと”、“許されること”、あるいは“プライベートなこと”として容認されているのです」と、グローバル・パートナーシップのスーザン・ビッセル事務局長は言います。「子どもに対する暴力は、避けられないものではありません。もし私たちが、多くの子どもたちの人生や未来を傷つけている現状に、挑戦するのなら。すべての子どもには、暴力を受けずに成長する権利があり、それを実現するために、私たちはみな協力する必要があるのです」

暴力を予防する戦略

子どもへの暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップの立ち上げにあたり、ユニセフ事務局長アンソニー・レークは暴力根絶に向けたメッセージを訴えた。 (ニューヨーク)

© UNICEF/UN024825/Nesbitt

子どもへの暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップの立ち上げにあたり、ユニセフ事務局長アンソニー・レークは暴力根絶に向けたメッセージを訴えた。 (ニューヨーク)

グローバル・パートナーシップはこの日、「子どもへの暴力を予防するための7つの戦略(“INSPIRE package”)」を発表しました。1)暴力を予防する法律の確実な履行、2)暴力を容認するような社会的規範や価値の見直し、3)子ども・若者のための安全な環境の提供、4)子育てに関する保護者への啓発、5)収入や経済面のサポート、6)子どもを保護し回復を支援するしくみの強化、7)子どもを暴力から守り、加害者にもさせないための教育、からなるこの戦略は、関係機関のこれまでの研究や取り組みの成果を踏まえたものです。

「子どもに対する暴力は、すべての社会に共通する課題です。そのため、解決方法もまた、共有されなければなりません」ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は言います。「子どもたちを暴力から守る時、私たちは、個々の悲劇を予防し子どもたちの成長と発達をサポートするだけではなく、彼らの社会の強さと安定を支えることにもなるのです」

* * *

子どもへの暴力を予防するための7つの戦略(“INSPIRE package”)

世界保健機関(WHO)が、ユニセフ、米疾病管理・予防センター(CDC)、汎米州保健機構(PAHO)、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)、米国際開発庁(USAID)、世界銀行等とともに作成。INSPIREは、7つの戦略の英語(Implementation, Norms, Safe environments, Parents, Income, Response, Education)の頭文字からとったもの。

“INSPIRE package”について詳しくはこちら

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