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日本ユニセフ協会
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10月24日は「世界ポリオデー」
ポリオ症例数、1988年以降99%減少
今年は3カ国で27件
症例は減少するも、紛争地での広がりを危惧

【2016年10月24日  ジュネーブ/東京発】

世界は、過去およそ30年にわたりポリオ根絶に向けて大きな前進を果たしてきました。ユニセフ(国連児童基金)もその一員である「世界ポリオ根絶のためのイニシアチブ」(GPEI:Global Polio Eradication Initiative)が立ち上がった1988年当時と比べ、ポリオ症例は99%減少しました。現在でも症例が確認されているのは、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアの3カ国の、非常にアクセスが難しい遠隔地に限られています。

「世界ポリオデー」、取り組みの成果

ナイジェリアの国内避難民キャンプにてユニセフ職員からポリオの予防接種を受ける子ども(2016年8月撮影)

© UNICEF/UN028223/Esiebo

ナイジェリアの国内避難民キャンプにてユニセフ職員からポリオの予防接種を受ける子ども(2016年8月撮影)

10月24日の「世界ポリオデー」に際し、これまでにポリオ根絶を実現した国々の大いなる進歩を強調し、今後数カ月のうちにポリオが根絶され、すべての子どもが「ポリオのない世界」で暮らせるようにすることが現実的になっていることを歓迎する一方で、まだ残されている課題にも目を向けなければなりません。

世界はいま、ポリオ根絶を実現する機会に、かつてないほど近づいています。今年確認されている野生株ポリオウイルスによる症例は、上記3カ国でわずか27件です。GPEIが立ち上がった28年前、世界125カ国で35万人の子どもたちにおいてポリオの症例が確認されていました。1988年以降、25億人の子どもたちがポリオの予防接種を受け、2016年年初からの症例はわずか27件と、この28年間で99%もの減少を実現しています。この間、予防接種活動の前線でワクチンを届けた保健員は、2,000万人に上りました。

ユニセフは、2015年だけでも13億回分のポリオワクチンを調達し、2億6,535万人の子どもたちが、ポリオ根絶キャンペーンによって予防接種を受けました。こうした世界的な取り組みによって、1,500万人以上の子どもたちがポリオによる麻痺から守られました。

ポリオ根絶へ向けて

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一方で、最近のナイジェリアでのポリオ発生は、ポリオ根絶が失敗に終わる脅威を見せつけました。根絶に失敗すれば、10年以内に毎年20万人の新たなポリオ患者を生み出す恐れもあるのです。

ポリオ根絶への取り組みによる効果は、子どもたちを麻痺から守ることに留まりません。活動に精通した現場の女性保健員たちは、地域の保健システムをより強化する人材となっており、これまで支援が届いていなかった多くの子どもたちも、命を守る保健サービスが受けられるようになっています。ナイジェリア、アフガニスタン、パキスタンでは、ユニセフが支援する地域活動員4万4,376人(その多くが女性)がポリオのみならず、衛生、母乳育児、下痢の予防や治療についての啓発活動を行っています。紛争の影響下にあるナイジェリアのボルノ州では、ポリオ予防接種キャンペーンを利用して、特に命の危機にある子どもを見つけ出したり、栄養治療食を配布する活動もおこなっています。

ポリオの根絶が実現すれは、ポリオの予防接種は必要なくなり、地域経済の生産性が上がり、2035年までに500億米ドルを削減することができると見積もられています。

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 ユニセフ新VR発表

ユニセフと国際ロータリーは、今日米国疾病予防管理センター(CDC)にて行われるイベントにおいて、ユニセフ親善大使のユアン・マクレガー氏出演の、ケニアで最後にポリオに感染した9歳の少年のストーリーを紹介したバーチャル・リアリティ(VR)動画を発表します。

世界ポリオ根絶のためのイニシアチブ

各国政府とWHO、ロータリー・インターナショナル、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、ユニセフによる世界ポリオ根絶のためのイニシアチブは、ビル&メリンダ ゲイツ財団やイスラム開発銀行、そのほかの官民セクターからの支援を受けて活動しています。

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