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日本ユニセフ協会
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日本の子どもたち1000人が答えました
11/20「世界子どもの日」、ユニセフ調査結果公表 「最も心配する世界の問題は?」
「国のリーダーに変えてほしいことは?」

【2017年11月20日  日本発】

ユニセフ(国連児童基金)は、11月20日の「世界子どもの日」に合わせ、日本を含めた世界14カ国の子ども(9歳~18歳)を対象に行った意識調査結果を発表しました。オンラインで行われた本調査では、紛争や災害など世界で今起きている問題に関すること、自国や世界のリーダーに変えてほしいこと等を、選択式・自由回答式で尋ねるもので、日本では1000人の子どもたちが回答しました。

「最も心配する世界の問題は?」

Schoolchildren at St Peters Primary School in Mbare  start  lessons in the morning and are closely monitored by their teachers as they go about reading and taking part in various shoolng activites.The ECD class also has a group of young boys and girls who  spend the greater part of the day playing and taking part in lessons under the supervision of their tutors.(Tsvangirayi Mukwazhi/UNICEF)

© UNICEF/UN050570/Mukwazhi

日本を含む世界14カ国の子どもを対象にした意識調査結果を発表。

調査によると、日本の子どもたちにとって、「自然災害」、「紛争や戦争」、「テロ行為」、公害や気候変動などの「自然に対する脅威」が、最も心配な世界の問題であることが明らかになりました。特に「自然災害」に関しては、「自身に影響が及ぶと心配をしている」に「はい」と答えた子どもは約4人に3人(74%)にのぼり、日本の子どもたちが自然災害を身近な問題として捉えていることが浮き彫りになりました。

また、「あなたと同世代の生活を改善するために、あなたの国のリーダーに、変えてほしいことは?」の設問に対して、最も多く寄せられた意見は、「教育の無償化」など『教育』に関する回答でした。他にも、「世界を平和にする」「戦争しないで」など『平和』に関する回答や、「税金の無駄遣いをなくして」など『税』に関する回答、「ゆとりある生活」など『生活』に関する金銭面に関する回答が寄せられました。

また、自国や世界のリーダーに対する設問では、「子どもたちのために正しい判断をしていると信頼できるか」の質問に対して、68%の子どもたちが「信頼していない」と答えました。一方で、4人に3人(77%)が、「世界のリーダーたちが子どもたちの声に耳を傾けたら、世界は子どもたちにとってより良い場所になると考えている」と考えていることが示されました。

▼主な調査結果(日本の9歳~18歳、1000人の回答による)

  • 最も心配する世界の問題 > 1位:自然災害、2位:紛争や戦争、3位:テロ行為/自然に対する脅威
  • 個人的に影響を受けると心配する問題 > 1位:自然災害、2位:自然に対する脅威、3位:紛争や戦争
  • 世界のリーダーに最も対策をとって欲しい世界の問題 > 1位:紛争や戦争、2位:貧困、3位:テロ行為
  • 3人に2人(66%)が、子どもたちのために正しい判断ができるかという点において、自国を含めた世界のリーダーや大人たちを信頼していない。
  • 半数以上(55%)が 「自分の意見は全く聞いてもらえない」あるいは「自分の意見で何かが変わることはない」と考えている。
  • 4人に3人(77%)が、世界のリーダーたちが子どもたちの声に耳を傾けたら、世界は子どもたちにとってより良い場所になると考えている

▼主な調査結果 概要(世界14カ国の9歳~18歳、1万1,000人以上の回答による)

世界14カ国で実施された調査の主要な調査結果は以下の通りです。

  • 14カ国の子どもたちの間では、「子どもに対する暴力」が最も心配な問題で、全体の67%が「非常に心配である」と答えた。国別にみると、ブラジル、ナイジェリア、メキシコの子どもたちの間では、「子どもに対する暴力」が最も心配な問題であり、それぞれ82%、77%、74%が「非常に心配である」と答えた。一方で、日本の子どもたちの間でこの問題に対して「非常に心配である」と答えた子どもは、14カ国のうち最も少ない23%だった。
  • 14カ国の子どもたちが、「テロ行為」と「不十分な教育環境」について同程度心配しており、65%がこれらについて「非常に心配である」と答えている。国別にみると、トルコとエジプトの子どもたちは、「自身に影響を与えるのではないかと心配する問題」として「テロ行為」をあげる傾向が高く、それぞれ81%と75%が答えている。一方、オランダの子どもたちは、「自身に影響を与えるのではないかと心配する問題」として「テロ行為」をあげる傾向は低く、30%に留まっている。ブラジルとナイジェリアの子どもたちは、「世界中の子どもたちに影響を与えている問題」として、学校へほとんど通えない、またはまったく通えない「不十分な教育環境」を最も心配しており、その割合は10人に8人以上。
  • 14カ国の約10人に4人の子どもたちは、「難民や移民の子どもたちに対する不当な扱い」について「非常に心配である」と答えている。国別にみると、メキシコ、ブラジル、トルコの子どもたちは「難民や移民の子どもたちに対する不当な扱い」を心配する傾向があり、「非常に恐怖を感じる」と回答した子どもは、メキシコでは5人に3人、ブラジルやトルコでは半数以上にのぼった。メキシコの子どもの約55%が、この問題が彼ら自身に影響を及ぶのではないかと心配している。
  • 14カ国の子どもたちの間で「世界のリーダーに最も対策を取ってほしい問題」として最も回答が多かったのは、「テロ行為」、「不十分な教育環境」、「貧困」の問題。
  • メディアが伝える情報が、子どもたちに強い影響を与えていると考えられる。客観的に見れば、「不十分な医療環境」や「十分な食糧がない」といった問題は、「テロ行為」よりも子どもに影響を与えるものの、ほとんどの国で、子どもたちは「不十分な医療環境」や「十分な食糧がない」問題よりも、「テロ行為」を心配している。
  • 14カ国の子どもたちの半数近く(45%)は、大人や世界のリーダーたちが子どもたちのために正しい判断が下せると信頼していない。国別にみると、その傾向が最も顕著に示されたのはブラジルで、81%が「リーダーを信用していない」と答えた。次いで南アフリカの69%。一方で、インドの子どもたちが、最も大人や世界のリーダーを信頼しており、「リーダーを信用していない」と答えたのは僅か30%だった。
  • 14カ国の子どもたちの半数が、「世界中に住むあなたと同年代の人々に影響を及ぼす決定がなされたとき、あなたはどのように感じますか?」という質問に対して、自分たちの意見を聞いてもらえたり、取り入れてもらえたりしていないと感じている。
    • 国別にみると、南アフリカと英国の子どもたちは、その傾向が最も強く、それぞれ73%と71%が「自分の意見が全く聞いてもらえない」あるいは「自分の意見で何かが変わることはない」と感じると答えた。
    • 14カ国の中で、最も自分たちの意見が取り入れられていると感じているのはインドの子どもたちで、52%の子どもたちが「自分の意見が聞きいれられていて、自国の役に立てる」あるいは「自分の意見は世界の未来に影響を与える」と考えている。

 

▼調査方法など

  • 調査方法:オンライン/選択式および自由回答式
  • 実施期間:2017年10月9日~20日
  • 調査対象年齢: 9歳から18歳
  • 調査国:世界14カ国 (ブラジル、インド、日本、マレーシア、オランダ、イギリス、アメリカ、エジプト、ケニア、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、南アフリカ、トルコ)
  • 調査対象者数 各国400人~1000人 ※日本は1,000人

 

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■世界子どもの日について

1989年11月20日、すべての子どもに人権を保障する初めての国際条約、『子どもの権利条約』が、国連総会で採択されました。子どもの権利条約の採択を祝し、1954年に国連によって制定されたのが、11月20日の「世界子どもの日」です。ユニセフは毎年、世界子どもの日のテーマを定め、子どもの権利や子どもに関する問題について国際社会に訴えています。

2017年、ユニセフは、子どもの権利条約の第12条に定められた「意見を表す権利」にフォーカスを当てています。ニューヨークの国連本部などをはじめ、世界130カ国以上で、「#KidsTakeOver」(子どもが世界をジャックする)を合言葉に、子どもたちが、メディア、政治、ビジネス、スポーツ、エンターテインメントの舞台を“ジャック”し、子どもたちへの支援を訴えます。日本ユニセフ協会のホームページでも、20日から21日朝までの期間限定で、トップページが子どもたちにジャックされます。

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