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日本ユニセフ協会
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子どもに対する暴力撲滅を
ユニセフ、30カ国の若者に調査 3分の1が“ネットを介したいじめの経験あり”と回答

【2019年9月4日  ニューヨーク発】

若者の3分の1がネットいじめを経験していることや、5人に1人がネットを介したいじめや暴力のため学校を休んだ経験があることが、ユニセフ(国連児童基金)と子どもに対する暴力に関する国連事務総長特別代表事務所が行った新たな調査で明らかになりました。

30カ国の若者に調査

On 30 March 2016, Jessica Marques, 20, checks her mobile phone underneath a tree in a park in Taiobeiras municipality in the Southeastern state of Minas Gerais, Brazil. Jessica was the victim of cyberbullying, social isolation and embarrassment during high school at age 17, when inappropriate images from her mobile phone were shared with her peers in school, following the theft of her phone during summer vacation. The device contained nude images she had taken of herself, but had never shared online. Although Jessica reported the theft to the police, they told her nothing could be done without evidence. The experience left her feeling traumatized and isolated, but her family and a few friends, including Winny Moreira, provided an empowering network of support as she returned to school. Now 20, Jessica works as a hairdresser in Taiboeiras. “I had these pictures of me saved on my phone,” she said. “It got stolen at the sports club by someone who sent out the pictures three days later. I found out when I woke up that morning because of tons of messages people had sent me on Facebook and Whatsapp. I immediately deleted both accounts and I had to turn my phone of because lots of people were calling. People wanted to know what had happened. No one called to give me support, just wanting information and criticizing me.” Jessica continued: “That day, when I found out, I went over to a friend’s house to ask her and her mom for help. Her mom was really supportive and told me she was going to help me. She was the person who told my parents what had happened. This was at the end of summer vacation from school…I didn’t have the courage to go out of the house. My mom didn’t want to believe it and the next day she started to feel really bad. She couldn’t go to work. Everyone was calling her to ask about it all. My dad wouldn’t speak to me about it. I don’t know why. After a few days, he started to speak to me again.” “After the dust settled a bit, my

© UNICEF/UN017601/Ueslei Marcelino

ブラジルで17歳のときにネットいじめを受けたジェシカさん。(2016年3月撮影)

調査は、若者を対象にU-Report(ユー・レポート)と呼ばれる携帯電話を使ったメッセージ・アプリを活用して行われました。U-Reportを通じて匿名で得られたアンケートによれば、ネットいじめでは、フェイスブック、インスタグラム、スナップチャット、ツイッターといったソーシャル・ネットワークが最もよく利用されている、と若者4分の3が回答しています。

「”ネット上のクラスルーム“ができてしまったために、生徒が教室を出ても学校は終わりません。残念なことに、学校の中でのいじめもなくなっていません」とユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「若者たちの教育環境を改善するためには、オンラインとオフラインの両方を見なくてはならないのです」。

この調査は、SMSやインスタント・メッセージのアプリを使って行われました。そして、若者たちに、ネットを介したいじめや暴力の経験について、いじめをどこで経験したのか、またいじめを止める責任は誰にあると思うか、等についてのアンケートを行いました。「責任は政府にある」と回答したのは32%、「若者自身」が31%、「インターネット企業」をあげたのは29%でした。

「ネットを介したいじめを止める責任があるのは誰なのかたずねると、政府、インターネットプロバイダー、若者自身の3者に、意見はほぼ等しく分かれました。このことからはっきりわかるのは、子どもや若者自身が、いじめを止める過程にもっと参加する必要があるということです」と子どもに対する暴力に関する国連事務総長特別代表Najat Maalla Mjidは語ります。「私たちはこの責任を共有し、連携して取り組んでいく必要があります」

ミャンマーで開かれたワークショップで、U-Reportを使用する子どもたち。(2019年8月22日撮影)

© UNICEF/UN0338224/Htet

ミャンマーで開かれたワークショップで、U-Reportを使用する子どもたち。(2019年8月22日撮影)

今回の調査には、アルバニア、バングラデシュ、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、ブルキナファソ、コートジボワール、エクアドル、フランス、ガンビア、ガーナ、インド、インドネシア、イラク、ジャマイカ、コソボ、リベリア、マラウイ、マレーシア、マリ、モルドバ、モンテネグロ、ミャンマー、ナイジェリア、ルーマニア、シエラレオネ、トリニダード・トバコ、ウクライナ、ベトナム、ジンバブエから17万人以上のU-Reporter(ユー・レポーター)と呼ばれる若者(13~24歳)が参加しました。

そしてこの調査結果から、クラスメイト間でのネットいじめは高所得国特有の問題とは限らないことが明らかになりました。例えば、サハラ以南のアフリカの若者の34%は、ネットいじめに遭ったことがあると回答しています。また、39%の若者は、学校コミュニティ内に私的なオンライングループが作られていて、そこではいじめ目的でクラスメイトの情報が共有されているのを知っていた、と言います。

#ENDviolence

教室の窓枠に座るコートジボワールの子どもたち。(2019年8月5日撮影)

© UNICEF/UN0334296/Frank Dejongh

教室の窓枠に座るコートジボワールの子どもたち。(2019年8月5日撮影)

ユニセフは、学校や家庭内での子どもに対する暴力撲滅を目指し行っているキャンペーン「#ENDviolence(暴力をなくそう)」の一環として、2018年に世界中から子どもや若者が参加して起草した「暴力撲滅のための若者によるマニフェスト(#ENDVoilence Youth Manifest)」を発表しています。そこでは、政府、教師、保護者、そして若者たち自身に対し、生徒が学校の内外で安心して生活することができるよう、オンライン上の保護も含めた協力を求めています。

「世界中の若者が、高所得国、低所得国を問わず、ネットいじめを経験したことがあると話します。この状況は、子どもたちが教育を受ける環境に影響を及ぼしています。そして、子どもたち自身も、いじめがなくなってほしいと思っています」と、フォア事務局長は語ります。「今年、『子どもの権利条約』30周年を迎えるにあたり、デジタル環境における安全と保護の政策の中心に子どもの権利が確実に据えられなければなりません」

学校内外でのネットを介したいじめや暴力を撲滅するために、ユニセフとパートナーは、以下の分野においてすべての関係者が緊急に行動を起こすことを求めます。

  • ネットいじめやその他の形態のいじめから、子どもと若者を保護する政策を実行する
  • 子どもや若者を支援する相談サービスを立ち上げ、全国的に展開する
  • データの収集、情報、管理に関するソーシャルネットワークプロバイダの倫理規定の整備やその実践を促進する
  • 政策やガイダンスに役立てるために、子どもや若者のネット行動についてのより良い、個別の事例を集める
  • 特に被害に遭いやすい子どもたちを想定し、ネットいじめやその他の形態のいじめを防止し、対応するために、教師や親を対象に研修を行う

 

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■ 子どもへの暴力撲滅に向けたユニセフの活動

ユニセフは、「#ENDviolence(暴力をなくそう)」キャンペーンなどを通じて、学校内外での暴力を撲滅するために世界中で活動しています。また、英国国際開発省、ユネスコ、子どもに対する暴力撲滅のためのグローバルパートナーシップのその他メンバー、国連女子教育イニシアティブ(UNGEI)と連携して、「安全・安心な学校づくり(Safe to Learn)」というキャンペーンも行っています。今月、一人でも多くの子どもが学校に戻れるよう、またユニセフ「暴力撲滅のための若者によるマニフェスト」の提案に応えるべく、ユニセフは保護者に対し暴力を防止し、撲滅することへの協力を求めています。

 

■ U-Report(ユー・レポート)について

無料のソーシャル・メッセージ・アプリで、ネット環境さえあれば、世界中どこからでも参加し、関心のある話題について自由に発言することができます。これは、ユニセフとパートナーが、重要な開発課題についてのさまざまな声を聴くための手段として開発しました。U-Reportは、市民主体の開発を促進すること、人道上の緊急事態への対応を円滑に進めること、地球規模でのポジティブな変化をつくり出すために、一人ひとりの声を取り入れることを目的としています。

このシステムは、SMSやソーシャル・メディア(Facebook、Whatsapp、Viber)から参加することができます。若者は、アンケートに回答し、関心のある事柄を投稿し、子どもの権利を支持し、コミュニティの改善に貢献することができます。現在は、60カ国以上、700万人以上のU-Reporterがいます。今回の調査は、U-Reporterとしてユニセフの活動に積極的に参加してくれる子どもや若者によって実現しました。調査は2019年6月に実施され、30ヵ国、17万人以上から回答を得ました。

 

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■日本でも、暴力撲滅へ子どもの声を-「子どもパブコメ」受付中

現在日本では、子どもに対する暴力をなくすための行動計画(『子どもに対する暴力撲滅我が国行動計画』)の策定が、関係府省庁、有識者、市民社会、企業などが参加する枠組みで進められています。日本ユニセフ協会は、ヤフー株式会社と協力して、この行動計画に関する子どもたちからのパブリックコメント(「子どもパブコメ」)の募集をしています。
「子どもパブコメ」は、暴力をなくすためにおとなに求めること、自分たちにできると思うこと、暴力を経験または見聞きしたことがあるか等の設問で、小・中・高校生などの声を集めます。

■「子どもパブコメ」■
Yahoo!きっず / 日本ユニセフ協会HP
(いずれからも同じウェブフォームにリンクしています)
実施期間: 8月28日(水)~10月7日(月)正午

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