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日本ユニセフ協会
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「子どものための世界サミット」30周年
30年の成果と新たに生じた課題 ユニセフ事務局長声明

【2020年9月29日  ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは、「子どものための世界サミット」から30周年を迎えるに際し、以下の声明を発表しました。

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「子どものための世界サミット」30周年

アダマワ州・ヨラの診療所で、母親の膝の上で予防接種を待つ生後4カ月のウィズダムちゃん。(ナイジェリア、2020年1月撮影)

© UNICEF/UNI279409/Modola

アダマワ州・ヨラの診療所で、母親の膝の上で予防接種を待つ生後4カ月のウィズダムちゃん。(ナイジェリア、2020年1月撮影)

1990年9月に国連本部で初めての「子どものための世界サミット」が開催されてから30年。今年は、過去30年間の大きな成果を祝う機会であると同時に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がどのように時を逆戻りさせてしまうかをはっきりと思い起こす機会でもあります。

1990年、紛争や暴力、貧困、環境問題など、世界的な懸念が高まる中で、子どもたちのニーズに焦点を当てた国連史上初の会議が開催されました。参加した70人以上の世界の指導者たちは、栄養不良や乳児の死亡を減らすこと、清潔な水と基本的な教育へのアクセスを保証すること、ポリオを撲滅すること、すべての女性が妊産婦ケアを受けられるようにすることなど、国際的な連携を通じて子どもたちの命と幸福を守ることを誓いました。

この画期的な会議から30年が経ち、より多くの子どもたちがより長く、より良く、より健康的な生活を送れるようになり、目覚ましい成果を上げてきました。1990年から2019年の間に、世界の5歳未満児死亡率は約60パーセント低下しました。小学校に通っていない子どもの数は、2000年の1億人から2018年には5,900万人に減少しました。栄養不良や予防可能な病気に苦しんでいる子どもはより少なくなりました。

しかし、最も貧しく、最も厳しい状況にある子どもたちにとっては不利な状況が続いています。子どもの権利を守り前進させてきた成果が今、保健、栄養、教育というこれまでの課題に加えて、不平等、気候変動、紛争、さらにはCOVID-19の危機などの進行中の問題によって脅かされています。

30年の成果と新たに生じた課題

COVID-19による休校のため、自宅で勉強する姉妹。姉妹はコンゴ民主共和国から逃れてきた難民で医者になる夢を持っている。(ウガンダ、2020年8月6日撮影)

© UNICEF/UNI358299/Emorut

COVID-19による休校のため、自宅で勉強する姉妹。姉妹はコンゴ民主共和国から逃れてきた難民で医者になる夢を持っている。(ウガンダ、2020年8月6日撮影)

私たちは、どのような危機においても、若者や最も不利な立場にある人々ばかりが不平等に苦しんでいることを知っています。紛争を経験している国の数は、過去30年間で最も多くなっています。その結果、3,000万人以上の子どもたちが故郷を逃れており、その多くは人身売買、虐待、搾取の被害に遭っています。さらに多くの子どもたちが、正式な滞在資格がなく、教育や医療へのアクセスもできず、不安定な生活を強いられています。

さらに、現在のパンデミックにより、所得に限らず多次元の貧困状態の中で暮らす子どもたちの数は15パーセント急増し、世界で約12億人となっています。少なくとも2,400万人の子どもたちが学校を中退する可能性があります。パンデミックがこのまま保健システムを弱体化させ、日常的なサービスを中断させ続ければ、毎日何千人もの子どもたちが命を落とすリスクがあります。移動制限や学校の休校はまた、子どもたちを教師や友人、コミュニティから切り離し、暴力や虐待、搾取のリスクを高めています。

人々の社会的・精神的発達、学習、行動に取り返しのつかない影響が及ぶだけでなく、30年前の「子どものための世界サミット」以来の進歩を逆行させてしまうおそれがあります。今、世界の国々と地域社会は、これまで以上に、紛争終結への取り組みを強化し、子どもたちへの投資を拡大することで、連携して子どもたちに影響を与える危機に対処しなければなりません。

子どもと若者たちの生きる世界が将来どのように見えるかは、今日の私たちの行動次第です。


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