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財団法人日本ユニセフ協会

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児童ポルノ所持が法律で処罰されない国は138カ国
〜児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)最新調査報告より〜

【2006年4月6日、アレキサンドリア発】 国際刑事警察機構(ICPO/インターポール)加盟184カ国のうち半数以上(95カ国)で児童ポルノを取り締まる法律が整備されておらず、その他の国でも現行法では不十分 ― 児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)がICPO加盟国を対象に、児童ポルノ法に関する調査を行った結果、驚くべき事実が明らかになりました。

「児童ポルノの蔓延という異常事態と闘うには、現在の世界各国の法律では憂慮すべきほど不十分です」ICMECのバロン・ダニエル・カルドン・デ・レクチャー会長は述べました。「これは断じて受け入れられない状況であり、各国の指導者は今こそ行動を起こすべきです。われわれの使命は、各国政府と協力して真の変革を起こし、この忌々しき問題を根絶することです」

ICMECは、世界でも有数の法執行機関であるICPOと共同で、2006年4月6日、ワシントンDCにおいて調査結果を発表しました。それによると、児童ポルノの所持が犯罪にならない国は138カ国で、コンピューターやインターネットを通じた児童ポルノの配信を取り締まる法律がない国は122カ国にのぼっています。

「性的に虐待されている子どもの画像が取引されたり、印刷されたり、ダウンロードされるたびに、被写体となった子どもはさらなる虐待を受けているということを、私たちは理解しなければなりません」ICMEC代表アーニー・アレン氏は述べました。「被害者となった子どもたちが受ける身体的、および心理的な打撃は計り知れないものです。このような児童ポルノ画像を所持および配信した者は、その画像の製作者と同罪とみなされます」

各国内法は、以下の5項目の基準にもとづいて検証されました。

  1. 現行法で児童ポルノは刑事罰の対象となっているか?
  2. 児童ポルノに関する法律上の定義が現行法に含まれているか?
  3. 児童ポルノの所持が犯罪と規定されているか?
  4. コンピュータおよびインターネット上での児童ポルノの配信は違法か?
  5. インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)は、児童ポルノと疑われる画像を法執行機関へ報告するよう義務付けられているか?

※注:項目1,2,4については、日本でも違法である。

その結果、驚くべきことに、児童ポルノ犯罪に厳しく対処するために十分包括的な法整備がなされている国は、オーストラリア、ベルギー、フランス、南アフリカ、米国の5カ国のみでした。また、ICMECが推奨する基準に実質的に準拠する国は次に挙げた22カ国です。(≪地域別≫【アジア・太平洋諸国】香港、ニュージーランド、トンガ【ヨーロッパ&ユーラシア】オーストリア、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ルーマニア、スロバキア、スイス、英国【北米】カナダ【ラテンアメリカとカリブ海諸国】ホンジュラス、パナマ、ペルー【中東と北アフリカ】イスラエル)

アレン氏は以下のように説明しました。「われわれの分析の正確性を裏付ける目的で、調査結果を事前に各国に通知しました。次なるステップは、法律が整備されていない国に対し、モデル法(模範法)を提供することです。しかしながら、各国指導者は未だ、児童ポルノがいまや数十億ドル産業に成長し、その代償を支払っているのは子どもであるということを認識していません」

児童ポルノ問題の範囲を正確に測ることは困難です。しかし、この問題がインターネットの出現によって爆発的に拡がっていることは明らかなのです。国際ECPATとバンコクポストによると、2001年には推定10万の児童ポルノサイトが存在しており、英国国家犯罪情報局によると、2003年にはその数が2倍に膨れ上がったと推定されています。米国に本拠地を置く「児童失踪・児童虐待国家センター(NCMEC)」では、センターが開設するオンライン犯罪用ホットライン「サイバー・チップライン(CyberTipline)」への児童ポルノサイト通報件数が、2001年の2万4,400件から、2006年の初頭には34万件以上に増加したとされています。

子どもに対する性犯罪という陰湿な脅威に対処するため、ICMECとインターポールは、児童ポルノに関する国際情報センター(IRC)を2006年秋にインターネット上で立ち上げる予定です。このサイトでは一般公開情報および法執行のための非公開調査資料を提供します。2003年以来、ICMECとインターポールの両機関は、世界各地において、法執行に必要な知識と専門技能の習得を目的とした研修を実施しています。マイクロソフト社からの資金提供により、各地でセミナーが開催され、今までに世界89カ国1,322名の法執行の担当者が研修を受けています。

「子どもの搾取は深刻かつ卑劣であり、世界的な問題である」マイクロソフト社の法務・政策企画統括本部インターネット・セイフティー本部長、ティム・クラントン氏は述べました。「われわれマイクロソフトは、ICMEC、インターポールとともに、児童ポルノを根絶するための世界的な取り組みに協力できることを誇りに思います」

今回の国際的な調査は、ICMECの子どもポルノ根絶キャンペーンの一環として行なわれました。キャンペーンは、2002年10月、アイルランドのダブリンで、児童ポルノの世界フォーラムの期間中に発足しました。会議では5つの主な行動計画、「ダブリン・プラン」を策定。2004年にはマイクロソフトと協力して、キャンペーンの第1段階がスタートし、児童ポルノの捜査と起訴能力の向上を目指して、各国の法執行担当者を対象に研修を実施しました。また、今回の各国国内法に関する調査報告の発表は、キャンペーン第2段階の一環。第2段階では、国による法律の違いを解消し、各国にモデル法の適用を促すことを目的としています。

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児童失踪・虐待国際センター(ICMEC):民間のNGO団体。子どもの拉致と搾取を根絶するために国際的に活動する機関であり、米国の児童失踪・虐待国家センター(NCMEC)の姉妹機関。

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