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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南アフリカ:サッカー元日本代表選手 中田英寿さんと北澤豪さん
子どもたちに未来を拓くプレゼント

【2009年6月27日 南アフリカ発】

© Georgina Goodwin/TAKE ACTION FOUNDATION

学期末試験が終わり、先週の土曜日(27日)、南アフリカの小学校は冬休みに入りました。しかし、この日の朝、ヨハネスブルグの東オブザーベトリー小学校の子どもたちは、嬉しそうに学校に戻ってきました。TAKE ACTION FOUNDATIONの代表理事を務めるサッカー元日本代表選手の中田英寿さんと、同じく元日本代表選手の北澤 豪さん、そしてヨハネスブルグ日本人学校の子どもたちと一緒にサッカーをするためです。

中田さんらの今回の訪問は、ユニセフと、ユニセフの重要なパートナーのひとつ『レッツ・プレイ』が企画。南アフリカの小学校で行われているスポーツを通じて子どもたちの生活を改善するための取り組みを紹介するために、中田さんを招待しました。

中田さんは、日本人学校の子どもたちと一緒に、今回TAKE ACTION FOUNDATIONの寄付により購入されたサッカーボール240個を、南アフリカの子どもたちに手渡しました。ボールを受け取った子どもたちは、次々に、このボールを使って遊びはじめ、サッカーの妙技を見せてくれました。中田さんは、興奮した子どもたちや先生方と一緒に写真撮影をした後、南アフリカの子どもたちのために合計2万個のサッカーボールを提供することを発表しました。

「子どもたちは、今日みたいな日が来たことをとても喜んでいます。」東オブザーベトリー小学校のデマトス校長先生は話します。「非常に貧しい生活環境にあるにも関わらず、子どもたちははとても喜んで学校に来ます。子どもたちは陸上競技やネットボールをはじめ、ほとんどの競技で素晴らしい動きを見せてくれます。去年、本校の女の子のチームが、金メダルを取りました。男の子たちは、サッカーに夢中です。」

遊ぶ権利
© Georgina Goodwin/TAKE ACTION FOUNDATION

アフリカで最大のスポーツ専門放送局、『スーパー・スポーツ』の社会貢献活動を担う『レッツ・プレイ』とのパートナーシップを通じ、ユニセフは、南アフリカ政府教育省とも協力し、教育設備などが整っていない585の小学校で実施している“子どもに優しい学校イニシアティブ”の一環として、こうした遊びの機会を提供する活動を続けています。

子どもたちを取り巻く社会的状況と学習環境の改善を目的とするこの活動は、(1)子どもの権利の尊重、(2)安全性への配慮、(3)地元コミュニティとの強固な結びつきの確保、(4)ジェンダー問題への配慮、(5)子どもたちの健康状態の向上、(6)質の高い教育の提供という、6つの基本的考え方に基づいて実施されています。

「ユニセフは、スポーツを、明確な目標を持ちかつ包括的な形で若者たちの健全な発達に資する手段として認識しています。若者に、生きるために必要な様々な技術を身につけてもらいながら、HIV/エイズ感染の拡大を抑制することを目指す活動などで、スポーツが活躍しています。」ユニセフ・南アフリカ事務所のイボンヌ・ダンカン広報・支援企画官は話します。

東オブザーベトリー小学校に通う子どもたちの20パーセントは、片方あるいは両方の親をHIV/エイズで失っているとのことです。この子らにとって、世界的なサッカーのスター選手たちと過ごしたこの日の経験は、子どもたちの今後の成長に必要な“楽しく遊ぶ機会”を象徴したものでした。

学ぶための環境や資材の提供
ライダーたちの出発を祝って踊る地元のダンサーたち。
© Georgina Goodwin/TAKE ACTION FOUNDATION

もちろん、子どもたちに“遊び”を促すためには、十分な施設や資材も提供されなければなりません。子どもたちが持つ権利のひとつである“遊び”は、今年採択20周年を迎える『子どもの権利条約』でも定められています。「子どもたちにサッカーボールを与えてみてください。そうすれば、すぐにでも皆さんの目の前で、子どもたちの様子が変わるのがわかるでしょう。これが、遊びの力なのです。」『スーパー・スポーツ』のCSR部長ボーン・ビショップさんは話します。「通常、どんなスポーツの中にも見られるように、“学び”の要素がスポーツの中に入っていれば、スポーツがもたらす恩恵は、より大きなものになります。」

ユニセフが『レッツ・プレイ』と展開するLet’s Play a Millionキャンペーンでは、施設や資材が整っていない学校に、2010年までに100万個のサッカーボールを配布する予定です。中田さんが代表理事を務めるTAKE ACTION FOUNDATIONは、このキャンペーンのオフィシャルサポーターです。

中田さんの活動に、南アのユニセフ大使も共感

今回の南アフリカ訪問の中で、中田さんは、現在、南アフリカ代表チームのアシスタント・コーチを務めるピツォ・モシマネ ユニセフ親善大使を訪ねました。短時間の面会でしたが、二人は、開催中のコンフェデレーションズカップやユニセフの活動に対する想い、そしてサッカーへの想いなどを語り合いました。また、この席上で、二人の国際サッカー界のスターは、これまでに彼らが関わってきたユニセフの活動や、世界の子どもたちを支援するそれぞれの想いなども語り合う機会となりました。

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