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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ユニセフ議員連盟 ウガンダを視察
(2007年4月29日から5月5日)

[2007年5月16日]

© UNICEF Uganda/GuluAmuru5/Chulho Hyun
北部ウガンダの難民キャンプを訪れた谷垣ユニセフ議連会長
© UNICEF Uganda/GuluAmuru90/Chulho Hyun 
ユニセフ議連ウガンダ視察団とユニセフ・ウガンダ事務所スタッフ (谷垣会長をはさんで山際議員、キース・マッケンジー ユニセフ・ウガンダ事務所長と中森議員、中森議員の右隣が篭島グル地域事務所長)

2007年4月29日から5月5日まで、ユニセフ議員連盟の谷垣禎一会長(衆議院議員・前財務大臣)、同じく議連の山際大志郎衆議院議員と中森ふくよ衆議院議員がアフリカ東部のウガンダ共和国を訪れました。今回の訪問の目的は、ユニセフと日本政府の支援で実施されている北部ウガンダ国内避難民支援プロジェクトの実施状況と、「神の抵抗軍」(LRA)とよばれる反政府組織によって誘拐され、兵士として利用されている男の子や女の子たちの状況を視察するためです。

北部ウガンダは、1980年後半からの内戦で「160万人の国内避難民が出るなど」社会経済が疲弊しながらも、国際社会からの認知度は低く、「忘れられた人道危機」と呼ばれています。LRAは、スーダン南部を拠点として、特にウガンダ北部では略奪、強制徴兵、性的搾取を繰り返し、2万5千人以上(うち女子はおよそ7,500人)の子どもたちを拉致し、その多くが強制的に子どもの兵士や兵士の妻となり、和平協議が進む現在でも、彼らの心のケアや社会復帰が大きな課題の一つとなっています。

視察団は、北部ウガンダの中核都市グルへ入り、そこでユニセフ・グル地域事務所所長の篭島まり子さんとともに、グルから車で1時間ほどのAlero国内避難民キャンプを視察しました。この地域の行政長官のAnthony Atube Omach氏は「ユニセフが日本政府の支援で設置した地域給水システムによって、それまで安全な水を十分手にいれることができなかった住民たちに、一日1人あたり15リットル以上の水を供給することができるようになり、この避難民キャンプの生活がより衛生的で健康的なものになった」と述べていました。

© UNICEF Uganda/GuluAmuru40/Chulho Hyun
国内避難民キャンプの子どもたち
© UNICEF Uganda/GuluAmuru47/Chulho Hyun
ユニセフと日本政府との協力で設置された地域水供給システム

また視察団は、LRAに誘拐されてから逃げ戻り、心に深い傷を負った女の子のためのリハビリ施設である聖モニカ職業訓練所を訪れました。ここでは、幼いころに誘拐され、教育の機会を奪われたばかりでなく、虐殺者の妻であったということで、偏見を受けている子どもたちに、基礎教育や縫製などの職業訓練の機会を提供しています。ユニセフは、小学生に配布するための布製のカバンを発注するなど、このような被害にあった子ども達が早期に社会復帰できるよう支援しています。

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縫製実習中の女の子を見守る山際議員
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ナイト・コミューターで夜を過ごす男の子を励ます中森議員

また、視察団はグル市内に設置されている、ナイトコミューター(夜間避難児)のためのシェルター(夜間避難所)を訪問しました。この施設は、LRAによる夜間の襲撃や誘拐の危険から子どもたちを守るために設置された施設です。和平交渉が進んだ今でも、この施設では毎夜百人程度の子どもたちがここで夜を過ごしており、その理由も誘拐の危険を避けるばかりでなく、ストリート・チルドレンで家がなかったり、親の暴力から逃れるためだったりと、より複雑なものになってきています。

視察団を代表して谷垣会長は、「この視察を通して、遥か遠い国であったウガンダという国が、非常に身近に感じられるようになった。また、日本とユニセフの協力による支援が、この国の将来を担う子ども達のために有効に行われていることをうれしく思う」と述べました。また、さらに谷垣会長は、「和平合意で平和が構築され、教育、水などの社会基盤が整備されれば、子どもたちは安全な環境の中で、自分たちの可能性を広げることができる。日本は、戦禍の中から平和国家を構築した貴重な経験があるので、ユニセフなどを通じて、紛争を経験した国々に対していろんな形で協力ができるであろう」と述べています。

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