財団法人日本ユニセフ協会




ベナン:国土の3分の2が冠水 ユニセフ、緊急支援活動を展開

【2010年10月19日 ベナン発】

被害が国土の3分の2に及ぶ大規模な洪水が発生したベナンで、ユニセフは、他の国連機関やNGO、ベナン政府とともに、人道支援活動を展開しています。

季節はずれの豪雨により、ウェメ川、モノ川が氾濫。アフリカ西部に位置するベナン全域に大きな被害を及ぼしています。民家や学校、保健センターは破壊され、43人が死亡。10万人近くが住む場所を追われました。現在、約6万5,000人の5歳未満の子どもたちを含む、35万8,000人以上がこの洪水の影響を受けているものと見られます。

急がれる水と衛生の支援

国内全域で展開されている人道支援活動の調整には、ベナン公安省を中心に編成された政府の危機管理室があたっています。ユニセフは、他の7つの国連機関とともに、人道支援活動の一翼を担っています。各国連機関の活動は、国連人道援助調整事務所(UNOCHA)と国連災害評価チーム(UNDAC)によって調整・連携が図られています。

国連各機関が共同で緊急に行った被害状況の調査に基づき、ユニセフを始めとする国連機関は、水と衛生、保健、栄養面での支援や、避難所の設置といった活動を最優先に展開しています。

こうした洪水の後に懸念される水を媒介とする疾患の発生も、既に確認されています。数百人の被災者がコレラに感染。うち7人が、既に命を落としたと報告されています。水と衛生分野での支援活動で主導的役割を任されているユニセフは、現在までに、セメ・ポジと、ベナン最大の都市コトヌーに、26万2,000個の水浄化剤、15基の貯水タンク、1,000個の貯水容器、250基のトイレをはじめとする支援物資を提供しました。

栄養分野と教育分野での支援

ユニセフは、また、世界食糧計画(WFP)が、米ととうもろこし粉などの支援を行うのに合わせ、被災地の子どもと女性たちへの栄養面での支援として、(栄養不良の)治療用ミルクや、「プランピー・ナッツ」と呼ばれる袋から取り出してすぐに食べることができる栄養補助食品を含む栄養補給剤も配布しています。

一方、ベナン政府は、教育活動の継続だけでなく、被害を受けた子どもたちに日常の感覚を取り戻す機会を提供するためにも、全半壊した276校の児童・生徒を別の学校に受け入れてもらえるよう手配しています。ユニセフは、学校に戻った子どもたちに教材を提供するべく、スクールキットの配布を準備しています。

国連は、被災地のニーズに迅速に対応するため、当面の活動資金として必要な800万米ドルを、まずは、国連の中央緊急対応基金から拠出する準備を進めています。また、これと並行して、国際社会に資金援助を要請する緊急の合同アピールも準備しています。