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財団法人日本ユニセフ協会



ガザ人道支援 第12報
ガザの子どもたちへの予防接種キャンペーン

【2009年2月25日 イスラエル発】

© UNICEF OPT/2009/El Baba
ガザのスライマン・スルタン小学校ではしか、おたふく風邪、風疹の予防接種を受ける子ども。

先月から続いている停戦以降、ガザではいまにも崩れそうな平和が保たれています。しかし、極めて重要なインフラ設備の損害は広範囲にわたり、基礎的な保健サービスも、その90パーセントがまだ動いていません。

こうした中、ユニセフは現地保健省と共に、2月19日、2週間の予防接種キャンペーンを開始しました。このキャンペーンの目的は、12万人の子どもたちに、はしか、おたふく風邪、風疹の予防接種を実施することです。

この武力衝突で避難を余儀なくされた9万人の大半は、自宅への帰還を果たしています。しかし、正確な数は把握されていませんが、この数に入っていないとても多くの人々が、いまだ非常に厳しい環境の中での生活を強いられています。定期的な保健サービスが途絶えてしまったため、ガザ全土で幼い命が脅かされ続けています。不衛生な環境によって、子どもたちの命を容易に奪う下痢性疾患に陥る人の数が増加しています。

ユニセフは、この予防接種キャンペーンに加え、食塩へのヨード添加、小麦粉の栄養価の強化、正しい衛生習慣の実践の重要性を訴えるキャンペーンの実施などの支援活動も展開しています。

健康的な環境を整備するために
© UNICEF OPT/2009/El Baba
ユニセフが支援する2週間の予防接種キャンペーンで、約12万人の8・9年生の児童が予防接種を受けた。

ユニセフ・ガザ事務所のチャールズ・ストリックランド所長は、ガザ地区にあるスライマン・スルタン小学校で行われたキャンペーンについて次のように話しました。

「ユニセフは、現地保健省とのパートナーシップを通じて、貧しい人々でも利用可能な保健サービス、特に、はしか、おたふく風邪、風疹の予防接種を、ガザの子どもたちに提供しています。こうしたパートナーシップは、最近始まったものではなく、10年以上にわたる長いものです。ですから、今後も末永く続くことになるでしょう。子どもたちのために、より健康的な環境を整える手助けを続けていきたいと思っています。」

この予防接種キャンペーンは、8・9年生の児童を対象に実施されています。このキャンペーンを通じて、子どもたちは、ワクチンの他、ビタミンAの投与も受け、その他の感染症を防ぐ方法についても学びます。

「このキャンペーンのおかげで、僕たちはきっとたくさんの病気から守られるはずさ。」予防接種の列に並ぶ8年生のナセル・アロムラネ君は、こう語りました。