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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災復興支援 第215報
「子どもにやさしい空間」
日本版ガイドブックが完成
国立精神・神経医療研究センターとの共同制作

【2013年10月28日 東京発】

独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 総長:樋口輝彦)と公益財団法人 日本ユニセフ協会(東京都港区 会長:赤松良子)は、災害時の子どもたちの保護とこころの健康支援のための指針、ユニセフ『子どもにやさしい空間ガイドブック』の日本版を共同制作いたしました。

災害時の子ども支援の指針に

NCNPでは今後、このガイドブックを災害時における“子どもたちにやさしい空間”を通じた支援の標準的な指針として、指導者研修等で活用し、普及を図ってまいります。
また、日本ユニセフ協会では、東日本大震災で被災した各県市町の自治体および臨床心理士会等や支援活動に従事しているNGOやNPOなどの民間団体へのガイドブックの配布、研修会の実施などを通じ、活動の普及を図ります。

緊急事態下での重要な支援

災害による急激な環境の変化によって、子どもたちの「日常」は一瞬にして奪われます。子どもたちの心の傷が広がらないうちに、仮の住まいとなった学校の校舎などの避難先で、安心して安全に過ごすことができる“子どもにやさしい空間”を確保し、“遊び場”や“学びの場”などの「日常」を提供することは、食糧や飲料水、医薬品の支援と同様に大切です。

2011年3月11日に発生した東日本大震災でも、実際に避難生活を送る子どもたちに“子どもにやさしい空間”を通じた支援を実践された心理ケアの専門家等からは、支援の現場で使える標準的な指針の整備が求められていました。NCNPと日本ユニセフ協会は、こうした声に応えるためユニセフが20年以上にわたる世界各地の現場での経験をまとめた『A Practical Guide for Developing Child Friendly Spaces(子どもにやさしい空間づくりの実践的ガイドブック)』(2009年発行)の日本語版の制作を決定。より日本国内の実情に沿ったものにするため、NCNP精神保健研究所 災害時こころの情報支援センター長の金 吉晴はじめ、東日本大震災の現場で実際に支援活動に従事した日本ユニセフ協会のアドバイザーらが内容を再構成し、“日本版”を制作しました。

理念遍と実践編

2部構成の『子どもにやさしい空間ガイドブック』は、「第1部(理念編)」で、緊急時に避難した先で子どもにやさしい空間を作るために理解しておくことや心がけておくことを、「第2部(実践編)」では、子どもにやさしい空間づくりのために必要な準備や実際の手続きを説明しています。

NCNPでは、11月21〜22日に開催される自治体担当者や医師等を対象とした「こころの健康づくり対策事業(厚生労働省研修事業)」によるPTSD対策専門研修を始めとして、今後、様々な災害時のこころのケア研修に本ガイドブックを導入し、支援現場でのこころのケアの標準化普及に努めてまいります。

また、11月8日(金)に衆議院第2議員会館多目的第1会議室で行われる「第10回東日本大震災子ども支援意見交換会」(主催:東日本大震災子ども支援ネットワーク)でも、本ガイドブックを紹介する予定です。 本ガイドブックは、NCNP精神保健研究所災害時こころの情報支援センターおよび、日本ユニセフ協会のホームページからダウンロードいただけます。

pdf『子どもにやさしい空間ガイドブック』第1部(理念編)[3.72MB] »

pdf『子どもにやさしい空間ガイドブック』第2部(実践編)[11.3MB] »

※ガイドブックの表紙には、一般公募の結果、フリーランス粘土作家のフジイカクホさんの作品が採用されました。
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