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財団法人日本ユニセフ協会




ミャンマー サイクロン被害第3報
  ユニセフ(国連児童基金) 当面の支援活動費用として、
国際社会に820万米ドル(約8億6千万円)の支援を要請
 

【2008年5月7日 ミャンマー・ヤンゴン発】

サイクロンの被害を受けた旧首都ヤンゴン市内の状況。
© UNICEF/2008/video
UNICEF correspondent Chris Niles reports on UNICEF's response to the unfolding crisis in Myanmar. Footage courtesy of Reuters.
英語版オリジナルビデオ

ユニセフは、ミャンマーのサイクロン「ナルギス(Nargis)」被害により、洪水で流されたイラワジデルタ地帯の住民救助活動に駆けつけていますが、先週のサイクロン被害を生き延びた子どもたちは現在、感染症にかかるリスクが極めて高いことがたいへん懸念されます。

国連援助機がミャンマーへの着陸を許可されたので、ユニセフ物資輸送船2槽も数日中にミャンマー入りするはずです。「港が甚大な被害を受けているので、課題は山積しています。」と、ユニセフの緊急支援プログラム・ディレクター、ルイス・ジョージ・アーセノールトは話します。

国連の予測では、低地のイラワジデルタ地帯が5,000平方キロメートルにわたり浸水しているようです。死亡者数は累計で22,000名程度と報じられており、さらに増加する恐れもあります。およそ41,000名が行方不明で、数十万もの住民のための救命支援物資が必要とされていることは明らかです。

もっとも困難な状況におかれる子ども

「サイクロン被害が甚大だったのは、ミャンマーで最も人口が密集した地域で、およそ1,000万人が暮らしていました。わたしたちの推測では、100万人が緊急支援物資を今すぐ、必要としている恐れがあります。」と、ユニセフ・ミャンマー事務所のラメシュ・シュレスタ代表は被災地域について話しました。

サイクロン被害者の中でも、子どもたちはもっと困難な状況にあります。子どもたちは、下痢性疾患や水を媒介とした疾患にかかる危険が高まりつつあります。ユニセフは、130名の実務支援スタッフを派遣して、備蓄物資を分配しています。緊急避難用キットや、水浄化剤、下痢性疾患による脱水治療のための経口保塩剤や避難用具を提供しています。

「緊急支援が必要です」

「こうした災害で危機にある状況では、子どもたちが病気や飢えのため最も困難な状況に置かれます。そして、彼らの救命のためには、緊急支援が必要なのです。」と、ユニセフ事務局長アン・ベネマンは話します。

どのような災害においても、子どもは最も困難な状況に置かれます。今回も、多くの子どもが死亡したと報じられています。両親とはぐれたり、災害のトラウマに苦しんだりしている子どもたちは、生存のために緊急な救命支援を必要としているのです。

ユニセフは、今後、他の国連他機関や国内外のNGOと緊密に連携を取りながら、ミャンマー政府が迅速に効果的に今回の危機に対処できるよう、協力して緊急支援を進めてゆくとともに、自然災害において心身の被害を最も受けやすい子どもたちの保護を最優先に、飲料水、衛生、保護者を失った子どもの保護、学校・教育活動の再開などの分野で緊急支援活動を展開します。

ユニセフは、8日、当面(本年7月まで)の緊急支援活動に必要な資金として、国際社会に対し、総額820万米ドル(約8億6千万円)の支援を要請します。 今回の要請の主な内容は以下のとおり: 保健と栄養(190万ドル)、飲料水と衛生設備(150万ドル)、学校教育の再開(250万ドル)、子どもの保護(80万ドル)、医療物資や緊急支援キット(150万ドル)。