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財団法人日本ユニセフ協会




ミャンマー サイクロン被害第14報
  未だに支援が届かない地域:ユニセフ、パートナーとともに支援を急ぐ
 

【2008年5月22日 ミャンマー・ヤンゴン発】

ミャンマーサイクロン 避難所の子どもたち
© UNICEF/ HQ08-0380

ユニセフ ミャンマー事務所は、現地時間22日夜、支援活動の現状を以下のように伝えてきました。「サイクロンの被害が発生してから既に20日。被災地域には、未だになんらの支援も届いていない村もあり、食糧や飲料水、医薬品、衛生設備(トイレ)などが圧倒的に不足している村もあります。」「各地に設置された避難所は、未だに屋根も無い場所での生活を余儀なくされている人も少なくありません。許容量を超える避難民でごった返し、衛生環境も非常に劣悪です。下痢性疾患や呼吸器系の疾患、赤痢が増加しています。」「ヤンゴン市内で、これまでにユニセフが健康チェックを実施した子どもたちの3割が下痢性疾患に罹っていました。」「栄養不良の蔓延も憂慮されます。最大の被災地、ラプッタで実施した緊急調査の結果、子どもたちの8.1%が急性栄養不良の症状を示し、うち0.8%が重症の状態でした。」

続々と到着するユニセフの支援物資

ミャンマーサイクロン 避難所の子どもたち
© UNICEF/ HQ08-0427

ユニセフの支援物資が、続々とミャンマーに到着しています。現地時間22日には、タイ・バンコクから飲料水用の容器1200個、インド・ムンバイからは、18万8700本のはしかワクチンが到着しました。現地時間23日(金)には、避難シェルター用のビニールシート2200枚や仮設貯水タンク(許容量5千〜5万リットル)が、タイ・バンコクなどからヤンゴンに向け送られる予定です。また、現地の救援チームは、既にヤンゴンに到着している屋根補修用資材7万枚を、各地の避難所などに配布する予定です。

肉親と離れ離れになった子どもたちの保護

ミャンマー国内では、多数発生したとみられる「孤児」を収容する施設の設置が検討されているという噂が広まっています。これまで世界各地で発生した自然災害や武力紛争などの状況の中では、実際には肉親と離れ離れになっただけ(肉親は生きているにも関わらず)、多くの子どもたちが「孤児」になったと判断され、肉親との再会が果たされないばかりか、「里親」を隠れ蓑にした人身売買などの脅威に晒される傾向が確認されています。また、所謂「孤児院」のような施設への収容は、子どもたちの発達に必ずしも最適な選択肢ではないことが、世界的に子どもの保護の専門家の間では常識になっています。

ミャンマーサイクロン 避難所の子どもたち
© UNICEF/ HQ08-0310

現在、ユニセフは、現地で活動するNGOや市民団体などと協力し、「子どもに優しい空間」の設置などを通じ、こうした状況にある子どもたちの発見と保護を進めています。現在も継続している緊急調査でこれまでに確認できただけでも、一管区(地域)だけで、300人を超える子どもたちが、肉親と離れ離れになってしまったこと、うち46人は周囲に面倒を見る大人がいない状態であることが確認されています。