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公益財団法人日本ユニセフ協会
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シリア緊急募金 第140報
シリア危機:
トルコ・シュルナクの学校にシリア難民1,700人が避難

【2014年9月24日 シュルナク(トルコ)発】

シュルナクに避難してきたシリア人家族。
© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever
シュルナクに避難してきたシリア人家族。

学校で恐怖に満ちたまなざしでビスケットをもらう列に並ぶ子どもたちや、教室の床に袋を敷いて眠る子どもたち。

ホールで赤ちゃんが寝ているゆりかごを揺らす母親や、卓球台の上に置かれたパンに、汚れた子どもたちの洋服。大勢の人が身を寄せている図書館。

これらは、トルコのシュルナクの学校での光景です。学校には、シリア北部のアインアルアラブ(クルド名:コバニ)周辺で起きた戦闘から避難してきたシリア難民たちが身を寄せています。

避難所となった学校にいる人の多くは、子どもや女性、年配者です。

現在シリア難民支援コーディネーターを務めるイブラヒム・ビルギック教頭先生は、若くて働き者です。シリアからの避難者が到着した9月19日から支援に奔走し、政府と国際NGO、地元NGOの支援調整を監督しています。

イブラヒムさんは「この6日間で、約5,000人が本校を通過しました。なかには、しばらくここに滞在してから、近くの親族のもとに行く人もいます。現在、1,500人〜1,700人のシリアの方を受け入れています。子どもたちは最も厳しい状況に置かれており、特別なケアをしています。最も必要なのは牛乳、粉ミルク、おむつ、医薬品、子ども服です。現在学校の裏庭にテントを立てており、1,700人を受け入れられるようにする予定です」と話しました。

避難先で生まれた新しい命

ホールの入り口では、赤ちゃんがゆりかごで眠っていました。お母さんのナディヤさんは疲れ切っていましたが、片時も赤ちゃんから目を離しませんでした。赤ちゃんの名前はユスフくん。1歳半になるお兄さんもユスフくんとお母さんのそばで眠っていました。

近くで戦闘が起き、避難を決めたナディヤさん。臨月のナディヤさんは、トルコまでの長い道のりを歩いてきました。「国境に着いた瞬間、倒れました」。すぐに救急車で病院に運ばれ、出産したといいます。赤ちゃんは、トルコで一般的な名前であるユスフと名付けられました。

トルコで安心して休むユスフくんとお母さん。
© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever
トルコで安心して休むユスフくんとお母さん。

祖父母の孫への愛情

ネクミ・ムスタファさん(68)と妻のベディアさん(60)は、結婚して45年。結婚生活には山や谷がありましたが、自宅を捨てて避難したことが最悪の経験だといいます。子どもは11人、孫はたくさんいて何人いるかわからないほどです。ネクミさんは笑いながら「50人以上はいるんだが」と語りました。

ネクミさんは、妻と息子夫婦、孫2人の計6人で、1日かけて国境まで歩いてたどり着きました。

希望と不安を抱いて

2階では、窓から洋服がぶら下がっています。女の子たちはバケツの水を使って階段を掃除していました。裏庭が見渡せる教室には、数家族が身を寄せています。母親や若い女性、幼い子どもたちのほか、おとなの男性はひとりだけでした。

将来の夢を語るファトゥマさん。
© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever
将来の夢を語るファトゥマさん。

13歳のファトゥマさんがはにかみながら、8年生であることや、エンジニアになりたいという将来の夢を話してくれました。

4日前に家族とともにトルコに避難してきたファトゥマさん。兄弟のひとりはまだシリアにおり、ひとりはトルコ国内でおじさんとコショウの収穫をしています。トルコには両親、親戚など13人でやってきました。みんなでいっしょに避難できてよかったといいます。

つねに子どもたちのために

ユニセフ・トルコ事務所は、これまでに国境検問所でビスケット4万1,000パッケージ以上を配布、また、今後もおむつや下着、洋服、衛生用品といった日用品を子どもたちに提供していく予定です。 さらに、ユニセフは子どもの保護や教育、緊急支援も行うべく、準備を進めています。

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