心身ともに苦痛を与えるメジナ虫病

© UNICEF Michael Kamber

水は様々な問題を引き起こします。寄生虫病のメジナ虫もそのひとつ。飲料水に混じるミジンコの一種を媒介して人の体に入り、1mほどに成長し、最後は皮膚を破ってでてきます。 メジナ虫病は、肉体的にも経済的にも大きな痛みを伴います。

メジナ虫病って?

感染のもととなるのはよどんだ水。メジナ虫の幼虫や卵をもったケンミジンコが含まれる 水を飲むとかかる病気です。幼虫は人の体の中で大きくなり、その長さは約1メートルにもなります。人の体の中で大きくなるメジナ虫は体中を動きまわり、筋肉や内臓を傷つけ、約1年後には 肌を食い破って外に出てきます。

その痛さは想像もつかないもの。治療法はなく、鎮痛剤を飲んで 痛みに耐え、薬を飲んで感染の拡大を予防することはできますが、薬を手に入れられない人は ただ痛みに耐えるほかありません。

© UNICEF/Mali

最終的には皮膚を破って出てきたメジナ虫を、慎重に棒に巻きつけ、取り除いていきます。多くの場合は足から虫が飛び出してきますが、中には鼻から 出てくるケースも・・呼吸ができず、なくなることもあるようです。人によっては、何匹もの虫が 体内にいることもあります。

「言葉には出来ない痛み」といわれるメジナ虫病、痛みのあまり、働くことはおろか、歩く こともできません。メジナ虫病は、不衛生な水を飲むことで起きる病気。つまり1人が発生すれば家族や同じ村の人も同時にかかることが多いのです。家族のうちの何人かがメジナ虫病に かかり、農作業が出来ず、家族全体が食べることがままならないー 経済的な痛みも引き起こすのです。