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日本ユニセフ協会

ストーリー

マリ:金鉱山で暮らす親子
命を守る予防接種は、最良の贈り物
4月24日~30日世界予防接種週間

2020年4月23日マリ

©UNICEF/UN0293819/Keïta

 

ラマタさんは、マリ西部にあるマッサカマ金鉱山で、3年前から働いています。11カ月の息子、ハチマちゃんを背中におんぶしながら、うだるような暑さの中で、一日中泥をすくい、わずかな砂金を探しています。

「金細工の女性」と呼ばれるラマタさんは、金鉱山のすぐそばで、夫のマダドウさんと5人の子どもたちとともに暮らしています。

「家族のために朝食を用意した後、毎朝6時に金鉱山にやってきます。子どもたちは学校に行っていないので、私の仕事について来ます。私が川からすくった泥をふるいにかけて砂金を探している間、一番年上の子どもが幼い子どもたちを見ていてくれます」

よりよい生活を求めて

©UNICEF/UN0293824/Keïta

ラマタさん一家のように、マッサカマ金鉱山で暮らし日々働いている人は、何千人もいます。「この金鉱山に来る前、夫は働き口がなく、子どもたちを食べさせるのに苦労していました」とラマタさんは振り返ります。「だから私たちは、この村の人々と同じように、金を採って生計を立てることに決めました。マッサカマの金鉱山はとくに金を見つけやすいと聞き、躊躇することはなかったです」

けれども、金鉱山で暮らすことで、子どもたちには犠牲を強いていることも、また事実です。鉱山に移り住む家族の子どもたちは、学校を退学せざるえないことが多く、保健医療や保護などの基本的なサービスも受けることができません。

「ラマタさんのような家族が、暮らしていた村から鉱山の近くに移住する背景にあるのは、貧困にあえいでいて、それ以外の選択も手段もないからです」と、ユニセフの予防接種事業に携わるコノテさんは言います。「けれども、そうした鉱山に移住することで、家族はより困難に陥りやすくなります。保健医療など、基本的なサービスを利用することができないからです」

命を守る予防接種

©UNICEF/UN0293791/Keïta

この地域の経済は金鉱山に依存している一方、子どもの予防接種率がマリ国内でも最も低い地域のひとつです。命と健康を守るために必要な予防接種をすべて受けている子どもの割合は、わずか41%にとどまります。

ラマタさんの息子ハチメちゃんも、保健医療が必要な多くの子どもたちの一人です。

「ハチメちゃんは、予防接種を受けられないだけでなく、一目見てわかるほどの発育阻害に陥っている状態です。今日はハチメちゃんにポリオの予防接種を行いましたが、来週には地域の保健員を派遣し、ハチメちゃんが必要なすべての予防接種をどれだけ迅速に受けられるかなど、次のステップを考える予定です」(コノテさん)

コノテさんは、最も遠く離れた地域で暮らしている脆弱な子どもたちに予防接種を届けるユニセフの活動の一環で、この地域を訪問しています。ユニセフはまた、地域の保健員を研修し、必要な器材を提供することで、遠隔地のコミュニティで暮らす家族に命を守る保健ケアを届けています。

最良の贈り物

©UNICEF/UN0293818/Keïta

ラマタさんはハチメちゃんが予防接種を受けることができて、とても嬉しそうです。この地域で、はしかの感染が発生して以来、とても不安を感じていたからです。「友人の息子が、はしかの後遺症に苦しむのを見たことがあります」とラマタは思い起こします。

「今日、保健員の皆さんが、子どもたちに予防接種をするために、金鉱山までやってきて私たちを見つけてくれて、本当に嬉しいです。こういったことは、10年前には想像もできませんでした。私たちはとても幸運です」。

日暮れになり、ラマタさんは子どもたちと家に帰る準備をしています。今日の仕事の成果は平均的でした。彼女は金の小さな塊を2つ見つけました。

けれども、彼女が微笑んでいるのには、別の理由があります。

「今日、私は小さな金を見つけました。でも、それに勝る最良の贈り物は、私の子どもが予防接種を受けられたことです」。

* * *

ユニセフはマリ保健省、GAVIアライアンス(the Global Alliance for Vaccines and Immunization)、世界保健機関(WHO)と連携して、ポリオ、はしか、破傷風から命を守るワクチンを、マリの子どもたちと女性に届けています。ユニセフとパートナーは、ワクチン未接種の子どもたちが最も多い国内の11の地域を対象に、予防接種事業を行っています。2018年には、70万人以上のマリの子どもたちに、はしかの予防接種を届けました。

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