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日本ユニセフ協会

プレスリリース

ユニセフ、2023年の人道支援計画発表
高まる支援ニーズに103億ドル要請 155の国と地域、1億7,300万人支援目標に

2022年12月5日ジュネーブ/ニューヨーク

ユニセフ(国連児童基金)は本日、今後1年間の人道支援計画を盛り込んだ『子どもたちのための人道支援2023(Humanitarian Action for Children-HAC2023)』を発表しました。世界各地の人道危機や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの長引く影響、気候変動により過酷さを増す気象に苦しむ、1億1,000万人の子どもを含む1億7,300万人以上の人々を支援するため、103億米ドルの緊急資金を要請しました。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「今日、人道支援を必要とする子どもたちの数は、近年のどの時期よりも多くなっています。紛争や住処を追われるような状況、疾病のまん延、栄養不良の急増など、世界各地で様々な危機が発生しています。一方、気候変動はこれらの危機をさらに悪化させ、新たな危機を呼び起こしています。断固とした人道的行動を子どもたちのために適時取ることができるよう、適切な支援体制を整えることが不可欠です」と述べています。

紛争下の子どもたち紛争下の子どもたち <クリックするとPDFがダウンロードされます>

高まる人道支援ニーズ

2~3月の間で14回もの砲撃やロケット弾の攻撃を受け、破壊された学校の瓦礫の中に立つ8歳のアーニャさん。(ウクライナ、2022年7月撮影)

© UNICEF/UN0691435/Hrom
2~3月の間で14回もの砲撃やロケット弾の攻撃を受け、破壊された学校の瓦礫の中に立つ8歳のアーニャさん。(ウクライナ、2022年7月撮影)

今年初め、人道支援と保護を必要としている人は2億7,400万人と推定されていました。ウクライナを含む各地の紛争をはじめとし、食料不安の高まり、気候関連やその他の要因によってもたらされた飢きんの脅威、パキスタンの壊滅的な洪水などにより、この1年を通じてその数は大幅に増加しました。また、世界各地でコレラやはしかなどの疾病が再流行し、既に緊急事態下にある子どもたちにさらなる危険をもたらしています。

COVID-19のパンデミックの長引く影響、そしてインフレや食料・燃料費の高騰などの世界経済の混乱と不安定さは、世界で最も弱い立場にある何百万人もの子どもたちの生活に壊滅的な影響を及ぼしています。

また気候変動は、緊急事態の規模や程度を悪化させています。過去10年間の暑さは観測史上最高を記録し、気候に起因する災害の発生件数は過去30年間で3倍に増加しています。現在、水に対する脆弱性が高い、あるいは極めて高い地域に住んでいる子どもは4億人以上います。

同時に、記録的な数の子どもが、家族と共に、あるいは家族から引き離され、もしくはおとなの同伴者のいないまま国境を越えています。危機の連鎖により、世界中で3,700万人近くの子どもたちが住処を追われており、これは第二次世界大戦以来、最悪の状況です。

2023年の人道支援計画

カイバル・パクトゥンクワ州で、大洪水の影響により浸水した道を歩く子ども。(パキスタン、2022年8月撮影)

© UNICEF/UN0696411/Moin
カイバル・パクトゥンクワ州で、大洪水の影響により浸水した道を歩く子ども。(パキスタン、2022年8月撮影)

2023年の資金要請を定めた「子どもたちのための人道支援計画(Humanitarian Action for Children、HAC)」の一環として、ユニセフは以下を目標として活動を行っていきます。

  • 820万人の重度の急性栄養不良の子どもを治療
  • 2,800万人の子どもにはしかの予防接種を実施
  • 6,370 万人が安全な飲料水、家庭用水を利用できるようにする
  • 2,350 万人の子ども、若者、養育者がメンタルヘルスと心理社会的な支援を受けられるようにする
  • 1,620 万人の子どもと女性がジェンダーに基づく暴力を受けるリスクの軽減、予防、または対応のための支援を受けられるようにする
  • 3,200万人の人々を対象に、支援従事者からの性的搾取や虐待を通報するための安全で利用しやすい手段を提供する
  • 2,570万人の子どもが就学前教育を含む、公式または非公式の教育を受けられるようにする

2023年の資金要請額の上位5件は、以下のとおりです。

2022年の主な支援成果

ユニセフの栄養検査と治療キャンペーンで、重度の栄養不良と診断された生後7カ月のウブサちゃん。干ばつの影響により逃れた国内避難民キャンプで治療を受け、状態は回復しつつある。(コンゴ民主共和国、2022年10月撮影)

© UNICEF/UN0724785/Ayene
ユニセフの栄養検査と治療キャンペーンで、重度の栄養不良と診断された生後7カ月のウブサちゃん。干ばつの影響により逃れた国内避難民キャンプで治療を受け、状態は回復しつつある。(コンゴ民主共和国、2022年10月撮影)

ラッセル事務局長は、次のように述べました。「気候変動の壊滅的な影響は、子どもたちにとって常に存在する脅威です。だからこそ、私たちは人道支援の一環として、気候変動への適応とレジリエンスの構築を優先しているのです。このことは、現在の危機を生きる子どもたちに手を差し伸べると同時に、彼らや彼らのコミュニティが来たる危機に備えられるよう支援することにつながるのです」。

国や地域に根差した団体を人道支援活動の中心に据えることは、ユニセフの人道支援における重要な戦略です。2022年の主な成果は、人道カントリー・チームや国連諸機関、市民社会と非政府組織、国や地域の対応要員、リソース提供者など、ユニセフの各パートナーとの連携によって実現されたものです。注目すべき成果の一例は以下のとおりです。

  • 2,380万人の子どもたちにはしかの予防接種を実施
  • 260万人の重度の急性栄養不良の子どもたちを治療
  • 2,800万人の子どもたちが就学前教育を含む、公式または非公式の教育を受けられるようにしました
  • 1,300万人の子ども、若者、養育者にコミュニティを中心としたメンタルヘルスと心理社会的な支援を受けられるようにしました
  • 2,590 万人が十分な量の安全な飲料水、家庭用水を利用できるようにしました
  • 550万人の人に性的搾取や虐待を通報するための安全な手段を提供しました
  • 420万人の女性、少女、少年に、ジェンダーに基づく暴力のリスクの軽減、予防または対応のための支援を提供しました

 

注記:

2022年の要請に対する資金不足の上位5件は以下のとおりです。

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

毎月(定額)のご寄付 今回(一回)のご寄付

※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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