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日本ユニセフ協会

プレスリリース

2月6日は「女性器切除(FGM)根絶の日」
今年430万人がFGMの危険に SDGs達成には男性の参加も必要、とユニセフ事務局長ら

2023年2月6日ニューヨーク

2月6日「国際女性器切除根絶の日」に際し、ユニセフ(国連児童基金)事務局長キャサリン・ラッセルらは以下の共同声明を発表しました。

430万人の女の子FGMの危険に

母親から女性器切除(FGM)を受けさせられそうになったが、父親が反対してくれたおかげでFGMを受けずに済んだ15歳のナンテニンさん(左)と妹。ナンテニンさんは、この地域の若い女の子たちとともに、FGMの慣習をなくすための啓発活動を行っている。 (ギニア、2022年9月撮影)

© UNICEF/UN0769661/Camara
母親から女性器切除(FGM)を受けさせられそうになったが、父親が反対してくれたおかげでFGMを受けずに済んだ15歳のナンテニンさん(左)と妹。ナンテニンさんは、この地域の若い女の子たちとともに、FGMの慣習をなくすための啓発活動を行っている。 (ギニア、2022年9月撮影)

国連人口基金(UNFPA)の最新の推計によると、今年430万人の女の子が女性器切除の危険にさらされています。紛争、気候変動および貧困と不平等の拡大が、この有害な慣習を下支えするジェンダー規範と社会規範を変えようとする努力を阻み続け、女の子を守るための支援プログラムの実施を妨げることが今後も予想されるため、この数は2030年までに460万人に達すると予測されています。

女性器切除(Female Genital Mutilation、以下FGM)は、女性と女の子の権利を侵害し、将来の健康・教育・収入を得る機会を制限するものです。これはジェンダーの不平等と権力の不均衡に根ざしており、女の子の身体を傷つけ、未来を暗くし、命を危険にさらす、ジェンダーに基づく暴力行為です。

しかしながら私たちは、現状を変えることは可能であると信じています。FGMを根絶する、というSDGs(持続可能な開発目標)のターゲット達成期限まであと8年。この有害な慣習に終止符を打つことができるのは、多様なステークホルダーが協働する、十分な資金調達に支えられた行動だけなのです。

FGMを助長するジェンダーと社会の規範を変えることが極めて重要です。男性や男の子は、この取り組みにおける強力な盟友です。彼らはますます、家族やコミュニティの中の力関係を変えようとしており、変化の担い手として女性や女の子を支援するようになってきています。

ユニセフと国連人口基金のFGM根絶のための共同プログラムは、過去5年間で、男性や男の子が積極的にFGMの廃絶を働きかける3,000以上の取り組みを支援しています。

男性の参加も必要

女性器切除(FGM)根絶のための啓発活動に参加した15歳のファティマさん(仮名)。FGMの慣習に反対する家庭で育ったことから、ファティマさんは、FGMの健康へのリスクを同級生に伝えている。(スーダン、2022年10月撮影)

© UNICEF/UNI396250/Zehbrauskas
女性器切除(FGM)根絶のための啓発活動に参加した15歳のファティマさん(仮名)。FGMの慣習に反対する家庭で育ったことから、ファティマさんは、FGMの健康へのリスクを同級生に伝えている。(スーダン、2022年10月撮影)

私たちは、多くの国で、男性や男の子がFGMに大きく反対しているのを目の当たりにしています。例えば、エチオピアはFGMを受けた女性の割合が世界で最も高い国の一つですが、ユニセフの最近の分析によると、この慣習に反対する男性の割合は87%に達しています。

今年の国際女性器切除根絶の日に際し、われわれは国際社会に対し、以下を呼びかけます。

  • 不平等な力関係を変え、FGMにつながるようなジェンダーの不平等に起因する態度や行動に異議を唱えるため、男性や男の子と協力し、参加してもらう。
  • 不平等な現状の改善、女性の地位向上と参画、社会規範の変革などを、FGM根絶プログラムに組み入れる。
  • FGMをなくすための国家行動計画の策定を含め、女の子と女性の権利を守る国家レベルの政策策定と法制に資金提供する。

本日は、FGMを終わらせるという私たちの共通の目標を実現するために、さらに的を絞った協調的な取り組みが緊急に必要であることを思い起こさせる日です。私たちは、危険にさらされている何百万人もの女の子と女性を守り、この悪習を過去のものとするために、男性や男の子を含むすべてのステークホルダーと協働しなければなりません。

 

■ ユニセフと国連人口基金のFGM根絶のための共同プログラムについて
本プログラム「The UNFPA–UNICEF Joint Programme on the Elimination of Female Genital Mutilation: Delivering the Global Promise」は、女性器切除が広く行われている17カ国への支援を通じて、女性器切除の根絶を目指しています。女の子と女性が健康、教育、収入、平等における権利を実現する機会を作るとともに、この有害な慣習の裏付けとなっている力の不均衡を終わらせることに寄与します。

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

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