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日本ユニセフ協会

プレスリリース

ユニセフ/WHO・水と衛生報告書
保健ケア施設へ、命を守る投資を 水と衛生、廃棄物処理、電力供給サービスが重要

2023年6月13日アンマン(ヨルダン)/ジュネーブ/ニューヨーク

保健ケア施設における水と衛生(WASH)サービスは、簡易かつ手ごろな費用ででき、世界中の何百万人もの命を守り、非常に多くの経済的損失を防ぐことができる可能性があります。

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WHOとの共同報告書発表

ツォポ州の病院で、ユニセフが設置した水道で手を洗う8歳のエリティエさん。(コンゴ民主共和国、2022年7月撮影)

© UNICEF/UN0679882/Wenga
ツォポ州の病院で、ユニセフが設置した水道で手を洗う8歳のエリティエさん。(コンゴ民主共和国、2022年7月撮影)

安全なWASHサービスは、命を守ることにつながる感染予防と感染対策を可能にし、抗菌薬耐性の拡大を抑制し、すべての人に質の高いプライマリ・ヘルスケアを提供します。しかし、ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)が本日発表した新しい報告書では、そのための行動が各国で十分に取られていないと指摘します。

「保健ケア施設における水と衛生、廃棄物処理、電力供給サービス:2023年グローバル進捗報告書(原題:Water, Sanitation, Hygiene, Waste and Electricity Services in Health Care Facilities: 2023 Global Progress Report)」によると、低・中所得国137カ国において、質の良くない保健医療が原因で年間推定800万人が死亡し、健康状態の悪さや若年死による経済損失は6兆米ドルに上ることが明らかになっています。

WASH、廃棄物処理、電力供給の各サービスは、質の高い保健医療に大きく貢献するものです。手洗いや飲用のための給水場所の設置、定期的な清掃、利用可能なトイレの整備、敷地内での定期的な給水などの支援は、保健ケアサービスやその従事者の業務成果の向上、また施設利用者の尊厳の尊重に大きく寄与します。

保健ケア施設へ、命を守る投資を

ナンプラ州のモナポにある保健センターのトイレを使用する母親。3カ月前に娘のマティルデちゃんをこの保健センターで出産し、「トイレは清潔で、水道も整っており、きれいな水が飲めて嬉しい」と話す。(モザンビーク、2023年1月撮影)

© UNICEF/UN0764365/Franco
ナンプラ州のモナポにある保健センターのトイレを使用する母親。3カ月前に娘のマティルデちゃんをこの保健センターで出産し、「トイレは清潔で、水道も整っており、きれいな水が飲めて嬉しい」と話す。(モザンビーク、2023年1月撮影)

基本的なWASHサービスにかかる費用は、後発開発途上国では、平均して毎年1人当たりわずか0.6米ドルで、現在の後発開発途上国の政府の年間の保健医療支出のわずか6%にすぎません。将来の感染症大流行や気候変動、地政学的不安定、紛争のリスクが高まる中、投資はこれまで以上に重要です。しかし、現在、保健ケア施設におけるWASH分野の目標達成に必要な資金の75%以上を確保している国は、全体のわずか12%にすぎません。

より一般的な例として、WASH、廃棄物処理、電力供給サービスは、出産時の母親と赤ちゃんの健康に大きな影響を及ぼします。これらのサービスの欠如は、感染症、特に子どもや母親にとって致命的となりうる敗血症のリスクを増大させます。100万人以上の女性と女の子が、質の高いリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)とマタニティ・ヘルス(妊産婦の健康)のためには、尊厳と敬意をもった保健医療がもっとも必要で、その次がWASHサービスだと回答しています。

安全な水とせっけんで守られる新生児の死

首都キーウ近くにある総合病院で、早産により体重1800gで生まれたため、ユニセフの支援で提供された保育器の中で過ごす赤ちゃん。停電が起きても暖かく安全な場所で過ごすことができている。(ウクライナ、2022年10月撮影)

© UNICEF/UN0768553/Filippov
首都キーウ近くにある総合病院で、早産により体重1800gで生まれたため、ユニセフの支援で提供された保育器の中で過ごす赤ちゃん。停電が起きても暖かく安全な場所で過ごすことができている。(ウクライナ、2022年10月撮影)

ユニセフの水と衛生・気候・エネルギー・環境・災害リスク軽減担当ディレクターであるセシリア・シャープは、「最新のデータでは、500万人の子どもが予防可能な要因によって5歳の誕生日を迎える前に命を落としており、その半数が新生児であることが示されています。これらの死の多くは、安全な水とせっけんというシンプルな解決策で防ぐことができます。赤ちゃんが誕生する場所で、WASHサービスが安全に運用されることで、毎年数百万人の子どもと母親の命を守ることができるのです」と述べています。

新生児死亡の約43%はサハラ以南のアフリカで起きており、同地域の保健ケア施設の半数は、敷地内に水源がありません。また、妊産婦死亡率の削減における世界の進歩は、2016年から2020年にかけて失速しました。このまま推移すれば、妊産婦の予防可能な死を減らすというSDGs(持続可能な開発目標)のターゲットを達成できず、2030年までに100万人以上の命が失われることになります。

国別で進捗状況の確認が可能に

ナンプラ州のモナポにある保健センターの焼却炉のそばに立つ、病院の廃棄物責任者。新しくできた焼却炉はフェンスで囲まれ、安全な場所に設置されていて、他の人は出入りできないようになっている。(モザンビーク、2022年11月撮影)

© UNICEF/UN0764308/Franco
ナンプラ州のモナポにある保健センターの焼却炉のそばに立つ、病院の廃棄物責任者。新しくできた焼却炉はフェンスで囲まれ、安全な場所に設置されていて、他の人は出入りできないようになっている。(モザンビーク、2022年11月撮影)

オンライン追跡メカニズムにより、どの国が最も大きい進捗を遂げているかについて貴重な知見を入手することができます。それによると、報告のあった73カ国のうち70%以上が、ベースラインデータを確立し、気候レジリエンスに焦点を当てた基準を含む医療廃棄物・WASH基準を改訂・実施していることがわかります。しかし、国がインフラの整備を行った国や、保健管理情報システムでWASHデータを追跡・活用している国は、5カ国に1カ国もありません。

ユニセフとWHOは、保健ケア施設におけるWASH、廃棄物処理、電力供給の各サービスを早急に改善するために、各国とパートナーに以下の提言を実施するよう求めます。

  • 財政的な課題に取り組む
  • WASH、廃棄物処理、電力供給の各サービスを保健医療計画に組み込む
  • WASH、廃棄物処理、電力供給の各サービスを提供・維持し、正しい衛生習慣を実践するために、保健医療従事者を育成し、権限を与える
  • 定期的なモニタリングと進捗状況の確認により説明責任を強化する

WHOとユニセフは本日、ヨルダンのアンマンで、WASH・廃棄物処理・電力供給サービスに関するグローバルサミットを共催します。30カ国以上の代表者が参加するこのサミットは、各国の見識を集約し、保健指導者が主要な勧告の実施と解決策の拡大について戦略を練る機会を設けることを目的として、報告書の調査結果を議論する重要な場を提供します。

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