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日本ユニセフ協会
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日本ユニセフ協会からのお知らせ

日本の子どもたちの声も反映
国連子どもの権利委員会
「デジタル環境に関する子どもの権利」公表

【2021年6月11日  東京発】

国連子どもの権利委員会は、「一般的意見25:デジタル環境に関する子どもの権利」を公表。世界中の子どもたちの意見も反映されたこの文書には、日本の子どもたちの提言も活かされています。

デジタル環境に関する子どもの権利

国連子どもの権利委員会は、3月、デジタル環境において子どもの権利を保護、推進するための「一般的意見25:デジタル環境に関する子どもの権利(General Comment No.25 on children’s rights in relation to the digital environment)、以下GC25」(原文PDFはこちら)を公表しました。一般的意見は、特定の課題について委員会が示す見解で、子どもの権利条約のすべての締約国に向けられた文書です。

GC25は、適切なデジタル環境の提供によって子どもの権利を推進し、同時に、暴力やプライバシーの侵害を含めた多様なリスクから子どもを守るために、各国がとるべき様々な方策を示しています。企業の役割を重視し、政府や企業、学校、専門家、子どものため組織などの関係者間の連携が重要であることも指摘しています。

日本の子どもたちの声も

©日本ユニセフ協会

子どもスマホサミットの様子

策定の過程では、世界の子どもや若者の意見が集められました。日本からは、日本ユニセフ協会が、2020年11月、ユニセフ「子どもスマホサミット」を通じて集めた中高生の声をとりまとめて、GC25のドラフトへの意見として提出しています

GC25は、デジタルに関わる政策の策定や、企業による製品・サービスの開発の際に、子どもの意見を聴いてよく考慮することが重要であることを強調しています。このことは、日本の中高生からも多く寄せられた意見でした。その他にも、学校におけるデジタル教育を含む教育・啓発の重要性、安全で子どもにやさしいネット環境づくり、保護者や教員などおとなたちが正しい知識を持つこと、ネット以外の活動とのバランスなど、日本の子どもたちの提言に含まれた点の多くが、GC25には含まれます。

特に、日本の子どもたちの関心も高かったインターネット関連企業に関する部分では、子どもたちの安全で有益なネット利用をサポートすること(パラグラフ番号36、以下も同じ)、利用規約を子どもにわかりやすいように掲載すること(39)、情報の信頼性や通報機能についても情報提供すること(55)など、日本の子どもたちの具体的な意見が反映されています。

日本の子どもたちの提言

  1. 子どもの声をきいてほしい、おとなと子どもが一緒に考える機会を
  2. デジタル世界への導入は慎重に
  3. インターネット・スマホの使い方やリスクを小さいうちから教えてほしい
  4. より安全で子どもにやさしいネット環境をつくってほしい
  5. ネット利用を自分でコントロールしやすい機能を開発してほしい
  6. ネット以外で安心して過ごせる居場所がほしい
  7. ネットでトラブルに遭う前に気づいてほしい
  8. 家庭で一緒にルールを決めてほしい
  9. おとなも詳しくなって、見本になってほしい
  10. 私たちも行動します

* * *

ユニセフは、『世界子供白書2017-デジタル世界の子どもたち』の中で、すべての子どもたちに対してインターネットの恩恵を最大化し、インターネットをより安全でアクセスしやすいものにするために、政府や企業、研究者など様々な関係者、そして子どもたちが協力して取り組むことの重要性を訴え、様々な国で子どもたちも参加する活動を進めています。GC25の策定にも協力しました。

「GC25」全文と、当協会が提出したものを含む各国から提出された意見(すべて英文)は、国連子どもの権利委員会ホームページに掲載されています。

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