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日本ユニセフ協会

プレスリリース

世界保健サミット2021
新型コロナワクチン、広がる格差 保健・医療システムの強化を訴え

2021年10月25日発

世界保健サミットにおける、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアの基調スピーチを抜粋してお知らせします。

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ワクチン、広がる格差

ガローウェの保健所にあるCOVID-19ワクチン。(ソマリア、2021年10月3日撮影)

© UNICEF/UN0537701/Taxta
ガローウェの保健所にあるCOVID-19ワクチン。(ソマリア、2021年10月3日撮影)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、経済に打撃を与え、社会に緊張をもたらし、知らぬ間に次世代にも悪影響を及ぼしています。子どもたちは、ウイルスそのものによる直接的なリスクというよりも、社会経済的な影響によって、不相応に苦しみ続けています。

懸念されている変異株の出現もあり、ウイルスは広がり続けています。高所得国では予防接種キャンペーンが成功し、入院・死亡率が低下していますが、低所得国では何百万人もの人々が1回目のワクチンを受けておらず、子どもたちが頼っているすでに不安定な保健・医療システムは、危機に瀕しています。

新型コロナワクチンを受けた人と受けていない人の間で格差が広がっています。国民のほとんどが接種できた国がある一方で、1回目のワクチンを受けたのが国民の3%にも満たない国もあります。ワクチンを受けていない人の中には、医師、助産師、看護師、地域の保健員、教師、ソーシャルワーカーといった、子どもや母親、家族が頼っている最も必要不可欠なサービスに従事する人たちが含まれています。

約70億回分接種されている

第4回目のCOVID-19予防接種キャンペーンで、予防接種をしている様子。(モーリタニア、2021年10月14日撮影)

© UNICEF/UN0537906/Kounta
第4回目のCOVID-19予防接種キャンペーンで、予防接種をしている様子。(モーリタニア、2021年10月14日撮影)

最初の新型コロナワクチンが承認されてから1年も経っていない今日、約70億回分が接種されています。そして、来年末までに世界中の大多数の人々を守るのに十分な量のワクチンを製造する目処が立っています。

しかし私たちは全員を守ることができるのでしょうか。

世界中の医師、看護師、そして最もリスクに晒されている人々のために、命、そして保健・医療システムを守る新型コロナワクチンを届けることができるのでしょうか。

パンデミックを終息させるために必要な検査や治療、ワクチンを用意し、展開するために、ドナーはACT-AやCOVAXに十分に資金を提供し続けるでしょうか。

あるいは、国内でのワクチン供給にかかる費用が、経済を圧迫し、子どもの定期予防接種などの命を守る保健・医療プログラムを削減せざるを得なくなるのではないでしょうか。

保健・医療システムの強化を

COVAXを通じて届いた超低温冷蔵庫。(バングラデシュ、2021年9月28日撮影)COVAXを通じて届いた超低温冷蔵庫。(バングラデシュ、2021年9月28日撮影)

© UNICEF/UN0528379/Sujan
COVAXを通じて届いた超低温冷蔵庫。(バングラデシュ、2021年9月28日撮影)

私たちは、COVID-19のような嵐を乗り越えるためには、保健・医療分野全般の強化が重要な要素であることをすでに学んでいます。

COVID-19が世界的に流行する中で、妊娠中の母親や赤ちゃん、そして子どもたちをケアする保健・医療従事者は、想像もできないような選択を迫られました。COVID-19患者が息を切らして必死に酸素を求めていたとき、母親や赤ちゃんも同じように酸素を求めていました。病棟が感染者でいっぱいになると、彼らは幼い子どもたちを思うように助けることができなくなりました。保健分野の予算が限界に達すると、日常の保健・医療が後回しになっていきました。

こうした理由により、多くの低・中所得国において、COVID-19による死亡者数の2倍以上になる女性や子どもが命を落としています。ランセット(Lancet)誌の推計によると、この期間、女性や子供の死亡数は11万4,000人近く増えたとされています。

定期予防接種の遅れも

中部のカトマンズ渓谷にある予防接種センターで、COVID-19の予防接種の準備をする医療従事者。(ネパール、2021年8月撮影)

© UNICEF/UN0499435/Upadhayay
中部のカトマンズ渓谷にある予防接種センターで、COVID-19の予防接種の準備をする医療従事者。(ネパール、2021年8月撮影)

私たちはすでに、定期予防接種の遅れを目の当たりにしています。2020年には、2,300万人以上の子どもたちが不可欠なワクチンを受けることができませんでした。その数は2019年から400万人近く増加しており、数十年にわたる進歩は大きく損なわれました。 この2,300万人のうち、1,700万人は全くワクチンを受けていません。彼らはいわゆるワクチン未接種の子どもたちで、そのほとんどが様々な貧困を抱えるコミュニティに住んでいます。

こうした問題に対処するために、私たちができる最も緊急性の高い選択は下記の通りです。

各国政府は、新型コロナワクチンを早急にCOVAXと共有し、必要以上に備蓄しないよう心がけることができます。また、ワクチンへの公平なアクセスに対するコミットメントを示し、COVAXをはじめとするACT-Aの一部が、検査や治療、ワクチンを最優先で確保できるよう支援することができます。

健康に生きる権利を

COVAXを通じて届いた最初のCOVID-19ワクチン。(ザンビア、2021年4月撮影)

© UNICEF/UN0439461/Siakachoma/OutSet Media
COVAXを通じて届いた最初のCOVID-19ワクチン。(ザンビア、2021年4月撮影)

ワクチンメーカーは、生産スケジュールの透明性を高め、ワクチンへの公平なアクセスを促進するよう努めることができます。

各国政府、開発銀行、企業、支援団体等は、強固で回復力のあるプライマリ・ヘルスケア・サービスを構築し、それぞれのコミュニティにうまく組み込まれるように、戦略的かつ持続可能な投資を行うことができます。

私たちは、老いも若きも、富める人も貧しい人も、すべての人間が健康に生きる権利を有するという原則に根ざした、公平で持続可能な道を選ぶことができますし、そうしなければなりません。

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