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日本ユニセフ協会

プレスリリース

アルメニアへ逃れた学齢期の子どもたち
3人に1人は学校に通えず ナゴルノ・カラバフをめぐる敵対行為の激化から1カ月

2023年10月24日ジュネーブ/エレバン(アルメニア)

2万1,000人以上の学齢期の子どもたちが故郷を追われてから1カ月が経過。これまでにアルメニアへ逃れた子どもたちの3人に2人は国内の教育システムに沿って就学できたものの、3人に1人は今も学校に通えておらず、就学支援が急務です。

学校が果たす役割は特に重要

祖母と3人の兄弟たちと避難し、仮住まいしている家で本を読む8歳のアルメンさん。避難途中で父親が爆発に巻き込まれ亡くなってしまった。(アルメニア、2023年10月13日撮影)

© UNICEF/UNI456918/Mahari
祖母と3人の兄弟たちと避難し、仮住まいしている家で本を読む8歳のアルメンさん。避難途中でお父さんが爆発に巻き込まれ亡くなってしまった。(アルメニア、2023年10月13日撮影)

アルメニアへ逃れてきた子どもたちは、ここ数年間、質の高い教育を継続的に受けることができていませんでした。そのため、補習授業や個別サポートなど、子どもたち一人ひとりのニーズに合わせた支援を提供するための、インクルーシブな学校制度をつくることが非常に重要です。

「学校は、学習する場所であること以上に、大切な役割を持っています。避難生活を強いられ、不安定な状況に置かれている子どもたちに対して、学校が果たす役割は特に重要です。教育を受けることは、難民の子どもたちが、自分たちが経験してきたさまざまな困難を乗り越えるための支えになります。学校はまた、栄養のある食事や心のケア、社会性の形成など、子どもたちの健康とウェルビーイングを支える多くのものを提供します」と、ユニセフ(国連児童基金)・アルメニア事務所のクリスティン・ヴァイガント代表は語ります。「教育を受けられていない子どもたちが学校に通えるように、そして、学校がすべての子どもたちにとってインクルーシブな場所となるように、支援が必要です」

難民の子どもたちに必要なケアと支援を

避難先にある新しい学校へ通い始めたゴアさんは、「前の学校や音楽教室に戻りたい。友達や先生に会いたい」と話す。(アルメニア、2023年10月13日撮影)

© UNICEF/UNI457061/Mahari
避難先にある新しい学校へ通い始めたゴアさんは、「前の学校や音楽教室に戻りたい。友達や先生に会いたい」と話す。(アルメニア、2023年10月13日撮影)

難民の子どもたちが必要なケアと支援を受けられるよう、ユニセフは、アルメニア政府や他の人道支援団体と協力して活動しています。ユニセフはこれまでに、「箱の中の学校」(教育キット)や就学前教育キットを含む、教育分野の緊急支援物資を提供しました。また、パートナーと共に、学用品が入ったスクールバッグを1,000人の子どもに配布しており、現在、さらに2,000人分のスクールバッグの提供を準備しています。ユニセフはまた、全国各地で難民の子どもたちを受け入れている学校や幼稚園・保育園の、学習スペースを拡張するための準備も進めています。

そしてユニセフはこれまでに、難民の子どもたちとその養育者あわせて約1万人に、メンタルヘルスと心理社会的支援、保健・栄養分野での支援を提供しました。また、1,000人以上の子どもと養育者に、子どもの保護分野の専門的な個別支援を提供し、3,000人以上にこころのケアの応急処置(サイコロジカル・ファーストエイド)を提供しています。

ユニセフは、今後5カ月間に教育、保健、子どもの保護、栄養、水と衛生の分野での重要な支援を提供するために必要な資金として、総額1,260万米ドルの支援を国際社会に要請しています。

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

毎月(定額)のご寄付 今回(一回)のご寄付

※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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