安全な水
2024年時点、世界では21億人が安全に管理された飲み水を利用できず、このうち1億600万人は、湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用しています。
飲み水へのアクセス状況は、 2000年以降、世界全体で大きな改善が見られていますが、そうしたアクセスや水質、給水サービスを受けられるかどうかは、地域や収入などによって格差があることもまた事実です。
SDGs(持続可能な開発目標)では、 2030年までに世界が達成すべき目標の一つとして、すべての人が安全で安価な飲み水を入手できることが掲げられています。
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- SDGs 6.1
- 2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。
すべての人に、安全な飲み水を
私たちが生きるために、なくてはならない飲み水。
下のグラフは、世界の人々がどのような水を使っているのかを示したグラフです。
出典:
水は、「きれい」なだけでは十分ではなく、「安全」でなければ、人々の健康は守ることはできません。
SDGsが採択された2015年、それまでにはなかった「安全に管理された水」という定義が誕生しました。水質の安全性に加え、必要な時にいつでも手に入れられるということが、条件として明確に示されることになりました。
水に関するデータの定義について
- 安全に管理された飲み水(Safely managed):
自宅にあり、必要な時に入手でき、排泄物や化学物質によって汚染されていない、改善された水源から得られる飲み水。 - 基本的な飲み水(供給サービス)(Basic):
自宅から往復30分以内(待ち時間も含めて)で水を汲んでくることができる、改善された水源から得られる飲み水。 - 限定的な飲み水(供給サービス)(Limited):
自宅から往復30分よりも長い時間(待ち時間も含めて)をかけて水を汲んでくることができる、改善された水源から得られる飲み水。 - 改善された水源(Improved):
外部からの汚染、特に人や動物の排泄物から十分に保護される構造を備えている水源。例えば、水道、管井戸、保護された掘削井戸、保護された泉、あるいは、雨水や梱包されて配達される水など。 - 改善されていない水源(Unimproved):
外部からの汚染、特に人や動物の排泄物から十分に保護される構造を備えていない水源。例えば、保護されていない井戸、保護されていない泉、地表水など。 - 地表水(Surface water):
川、ダム、湖、池、小川、運河、灌漑用運河といった水源から直接得られる水
出典:
| 外部汚染から保護される構造 | 自宅にある | 必要な時にいつでも入手できる | 水質の安全性の確認 | 自宅に水を持ってくるのにかかる時間 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 安全に管理された飲み水 | ○ | ○ | ○ | ○ | ― |
| 基本的な飲み水 | ○ | いずれかひとつでも× | 往復30分以内 (待ち時間含め) |
||
| 限定的な飲み水 | ○ | いずれかひとつでも× | 往復30分を超える (待ち時間含め) |
||
| 改善されていない水源、地表水 | × | ― | ― | ― | ― |
2015年から2024年にかけての成果
安全に管理された飲み水を利用できる人の割合は、68%(2015年)から74%(2024年)まで改善しています。
出典:
主要データ
2024年、世界では・・・・
- 21億人(4人にひとり)が、安全に管理された飲み水を使用できない。このうち、1億600万人は、湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用している。
- 世界人口の74%にあたる60億人が安全に管理された飲み水を、18%にあたる14億人が基本的な飲み水を利用できている。
- 2015年から2024年にかけて、 9億6,100万人が安全に管理された飲み水を利用できるようになった。
下記の地図は、安全に管理された飲み水を利用できる人の割合(2024年)を、各国毎に色で示しています。

出典:
(2025年8月更新)
スーダン
マヤダさん(13歳)他のストーリー
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© UNICEF/UNI578436/Khalil
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