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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ユニセフの主な活動分野|教育
ユニセフの主な活動分野
教育

緊急時の教育支援

© UNICEF/UN043607/Khuzaie 紛争によって破壊された学校の教室
(イラク・ファルージャ)

紛争や自然災害などの緊急事態が発生したとき、子どもは最も影響を受けやすい存在です。そして、子どもたちへの教育は、緊急時だけでなく、復興に向けた社会のなかでも、後回しにされがちです。

教育は、衣食住と同様、子どもの基本的な権利です。緊急時の不安定な日々の中で、学校へ通うことは、子どもたちが日常を取り戻すための手助けになります。

ユニセフは被害を受けた校舎の修繕や臨時の学習スペースを設け、教科書やノート、文具などを含む教育キットを提供し、緊急時でも子どもたちが教育を受けられるように支援しています。また、子どもたちの心のケアの一環として、安全に遊べる場所を提供し、スポーツや遊びを可能にするレクレーションキットの配布、カウンセラーの派遣も実施しています。

なぜ緊急時に教育が必要?

紛争や災害などの緊急事態は子どもたちの生活を一変させ、心身の健康や発達・成長にさまざまな影響をもたらし、時には心に大きな傷をあたえます。そのような緊急事態下に、教育がもたらす効果は多岐にわたります。

  • 学校に通うことで、守られた環境でケアを受けることができる。
  • 拉致、搾取、武装勢力に徴用から子どもたちを守ることができる。
  • 危険から身を守る方法、病気の予防や適切な衛生習慣などの知識を得ることができる。
  • 友達との交流の場や心のケアを通じて、心の傷を乗り越える手助けになる。
  • 「日常」を取り戻し、普段の穏やかな感情に戻ることができる、緊急事態下の心の癒し場所になる。
  • 子どもが学校に通うことで、両親は生活を立て直すために時間を費やすことができる。
  • 長期的には、教育を受けた子どもたちが紛争や被災後の社会の形成に、重要な役割を担うことができる。

「子どもにやさしい空間」

ユニセフは緊急事態下で避難民施設などにいち早く「子どもにやさしい空間」を設置しています。緊急時、子どもたちは恐怖や喪失の体験、危険な状態からの避難、避難先での不自由な生活など、多くの困難に直面します。「子どもにやさしい空間」とは、子どもたちが安全に安心して過ごすことのできる学びや遊びの場です。子どもが子どもらしくいられることは、心身の健全な成長にとって重要であり、学校や遊びの場などの「日常」を提供することは、食糧や飲料水、医薬品の支援と同様に大切です。

「子どもにやさしい空間」ガイドブック改訂版 >>

主要データ

  • 世界の5歳から17歳の子どものほぼ5人に1人にあたる3億300万人近くが学校に通っていない。その3分の1以上に相当する1億400万人は紛争や自然災害の影響を受ける国に暮らしている。ⅰ)
  • 2019年6月時点、西部・中部アフリカのブルキナファソ、カメルーン、チャド、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、マリ、ニジェール、ナイジェリアにおいて、9,272校が安全上の理由から閉鎖を余儀なくされており、子ども190万人が教育の機会を奪われている。ⅱ)
  • 2018年、アフガニスタンにおける学校への攻撃件数は192件にのぼり、2017年の68件の3倍に上った。ⅲ)
  • 中東・北アフリカの9カ国(シリア、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、イエメン、リビア、スーダン、パレスチナ)では、急増する紛争や政治的混乱によって、2015年時点、学齢期の子どもの40%にあたる1,300万人以上の子どもたちが、学校に通う機会を奪われている。ⅳ)
  • シリアでは、紛争の拡大が、子どもたちの教育に暗い影を落としている。学校通っていない子どもの数は、2012年時点の30万人から、2016年には170万人以上となった。3校に1校は、破壊、損壊、あるいは避難民の避難場所となっていて、学校としての機能を果たせない。2016年には、学校や教育関係者に対する攻撃が少なくとも87件報告されており、255人以上の子どもたちが、校内あるいは学校周辺で殺害された。ⅴ)
ⅰ)
世界の就学状況報告書発表 学校に通っていない子ども3億300万人 >>
ⅱ)
西部・中部アフリカ 教育の機会を奪われた子ども190万人 >>
ⅲ)
アフガニスタン 学校への攻撃、昨年192件 学齢期の子どもの約半数、通学できず >>
ⅳ)
ユニセフ 中東・北アフリカ地域事務所 報告書『戦火の中の教育』発表(2015年9月3日) >>
ⅴ)
Hitting Rock Bottom - How 2016 Became the Worst >>

(2019年11月更新)

イエメン

アフメドさん(12歳)のストーリー

紛争により、避難生活を送るアフメドさんは、爆撃で破壊された学校に通っています。「教室に、また爆弾が降ってくるかもしれなくて、学校に行くことが怖かったです」。

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困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

テントの学校

緊急事態発生後、子どもたちがいち早く再び学校に通うことができるよう、ユニセフはテントの仮設学校の設置を行っています。写真は南スーダンの紛争で避難している子どもたちのために、設置したテントの学校。

学用品の配布

緊急事態で持ち物を失った子どもたちも再び学ぶことができるよう、ノートやペンなどの文具が入った通学用かばんを提供しています。写真はシリアで行われた「学校に戻ろうキャンペーン」で配布された学用品の中身を見る、小学校1年生の男の子。

子どもにやさしい空間

フィリピン台風による甚大な被害が出たタクロバンに設置された「子どもにやさしい空間」のでお絵かきをする子どもたち。心のケアやレクレーション活動を実施。

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