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休校中はラジオが先生です

休校中はラジオが先生です

コロナウイルス感染症の感染防止対策として、ブルキナファソでは2020年3月16日から全国で学校が休校になり、およそ20,000校、500万人の子どもに影響を及ぼしています。6歳から16歳の小学校と中学校に通う子どもたちは、6月1日に実施される年度末試験を受けるために登校する予定です。ユニセフとパートナー団体はブルキナファソ政府とともに、多くの子どもたちが休校中も勉強を継続できるよう様々な試みに取り組んできました。

12歳のスティーブさんは、ワヒグヤ市(ブルキナファソ北部の都市)の聖マリウス小学校に通う生徒です。彼はコロナウイルスの影響を受け、8週間以上も学校に通っていません。

「ある日、お父さんが学生向けのラジオの教育番組を聴くように僕にアドバイスしてくれて、実際に番組を聴いてみるとそれはとても面白かったよ。僕のように学校が休校になって家に引きこもる子どもたちにとってはとても助かる内容だったしね。そこで次の日、友達にも僕の家でラジオ放送を一緒に聴こうと誘ったよ」とスティーブさんは話してくれました。

ユニセフが技術支援や資金援助を行っているダイオセサン・コミュニケーションセンターは、教育省との協力関係をもとに、子どもたちと教育とをつなぐラジオの教育番組を実現させました。

ラジオの番組が始まるまでスティーブさんは自宅で復習しながら、教育番組を一緒に受講する仲間たちの到着を心待ちにしています。子どもたちは6人で1つのラジオクラブを作り、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちながらラジオを聴くのです。

いっせいに静まり返る、待ちに待った緊張の瞬間!番組の開始メロディーが鳴り響くとともに司会者が番組紹介を始めます。「ようこそラジオ番組へ。 ”私たちは学びたい”プログラムでは、読み書きや算数など、みんながどこにいようとも勉強ができるよ!」みんなは番組を聴きながら必死でノートをとります。放送が終わるとスティーブさんは仲間たちと今日学んだことや勉強の話でもちきりです。

このラジオ番組は当初、武装勢力の襲撃などにより治安が悪化しているサヘル北部の地域で、休校になった子どもたちのために制作された番組でした。現在はコロナウイルスの影響でブルキナファソの全ての学校が休校になったことで、この番組を聴く子どもたちが一気に広がりました。これでようやくみんなもスティーブさんのように年度末試験に向けて勉強することができます。

聖マリウス小学校のキャサリン・スワダゴ先生は「学校では子どもたちの学業が向上させられるよう取り組んできました。現在は家から一歩も出られない状況で、子どもたちが勉強を継続できているのかわかりませんでした。ラジオ番組はおおいに歓迎します」と話してくれました。

ラジオによる教育番組は、国内15以上のラジオ局が放送しています。番組のとりまとめ役であるヴィクター・オウエドラオゴ神父は、ラジオを通じた学習方法は、子どもたちが継続して学習することを可能にする良い手段だと説明します「私たちは親たちがより熱心に、子どもたちのラジオ学習をサポートすることを望んでいます」。

(2020年3月更新)写真クレジット:©UNICEF/Burkina Faso

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