「子どもの権利条約」Q&A

「子どもの権利条約」を正しく理解することは必ずしも簡単ではありません。
よくある疑問点、またぜひ理解しておきたい点などを、Q&Aのかたちでご紹介します。

  • 権利は義務や責任を伴うもの?
    あらゆる人権がそうであるように、子どもの権利は、すべての子どもが無条件にもっているものです。つまり、権利はいかなる条件も伴いません。権利は義務や責任を果たしたときに報酬として与えられるものではなく、また義務や責任を果たさないからといって剥奪されるものでもありません。
  • 子どもの権利を知ると、子どもは自分の権利ばかりを主張するようになる?
    子どもの権利を知ることは、自分自身の権利を知ることと同時に、他者の権利を知ることでもあり、また、先生やおとなたちのもつ権利にも気づく機会となります。そのような学びを通し、そして権利が守られた環境で学ぶことにより、お互いの権利の尊重や信頼関係の構築につながっていきます。子どもの意見を聞く際には、その子どもの置かれた状況や成長過程を考慮しながら、常に4つの原則に立ち返ることも大切です。
  • 「子どもの権利条約」にある権利同士がぶつかり合う場合はどうするの?
    学校・園を含めた生活のいろいろな場面では、ある権利が他の権利と矛盾したり、衝突したりする場合があります。自分の守られたい権利が他の人の権利と衝突するような場合、状況を総体的に見ながら、それぞれの権利を両立させるために、互いが努力する必要があります。また、子どもの置かれている状況によっては、ある権利を守るために、ある権利を一時的に制限しなければならないことも起こります※。忘れてはならないことは、常にその子どもの最善の利益とは何かが考えられていることです。
    ※例: 暴力から保護し命を守るために、親と引き離されない権利が一時的に制限されるなど
  • 愛されること、間違えても認めてもらえることなども条約に含まれる?
    「子どもの権利条約」は法的な文書であり、愛情や幸福などの感情や、子どもの間違いは法的に評価することが難しいため、条約には含まれません。しかし、多くの条文が、子どもが愛されていると感じながら成長するために必要な事柄について触れています。また、間違いや失敗から学ぶことは、子どもの成長過程における大切な要素であり、間違いをおかしたときを含めて、おとなは常に敬意をもって子どもたちと接し、その尊厳を傷つけてはなりません。
  • 「子どもの権利条約」で、子どもたちの行動をコントロールできる?
    「子どもの権利条約」を、子どもたちをコントロールする目的で使うことは適切ではありません。子どもの権利が守られた環境で学ぶことは、他者の権利に対する理解を深めることにつながり、学校での子どもたちのふるまいや人間関係にもよい影響を及ぼすことがわかっています。しかし、条約を子どもたちに対する統制やよい行動を促すための条件として使ってはいけません。