「Child Rights Education (CRE): 子どもの権利を大切にする教育」の4つの側面、すなわち「権利としての学び」、「権利についての学び」、「権利を通しての学び」、「権利のための学び」を実践していくことにより、学校全体にさまざまな効果を生むことが期待できます。下の図は、「子どもの権利条約」の内容とその精神を、日々の学校生活の中に取り入れていくことによりもたらされる、多面的な、また短期的および長期的な効果を表しています。
上段は、学校・園において、どのような側面で子どもの権利を反映させていくことが重要であるかを表しています。中段では、これらの取り組みが学校環境にどのような変革を起こし、効果を生んでいくかが具体的に示されています。下段は、CREのさまざまな取り組みが、子どもたちの成長に長期的に与える成果を表しています。
学校・園での取り組み
-
学習
「子どもの権利条約」についての学びがカリキュラムに組み込まれ、実施される
-
コミットメント
子どもたちの健全な育成のために、子どもの権利の推進を学校・園が公約する
-
方針や設備
学校・園の経営方針や設備に子どもの権利を反映する
-
教育や指導
学校・園での教育や指導が、先生と子どもの双方の権利を尊重するかたちで行われる
-
参加
子どもたちが自分に関係のある事柄について意見を述べ、その決定に参加する
-
モニタリング
子どもの権利を侵害するような行動やリスクがないかを常に確認する
-
活動
地域社会や国際社会で子どもの権利を推進するための活動を行う
-
学校・園にもたらす効果
-
-
子どもたちが自らの権利について知る
-
他者にもみな権利があることを知る
-
先生に子どもの権利を守る意識が育つ
-
先生と子どもたちが互いに尊重する意識が生まれる
-
子どもたちの意見が尊重される
-
子どもたちに安心安全な環境が整えられる
-
地域社会や世界に目をむける機会をもつ
-
学校・園や家庭、地域社会が子どもの権利についての知識を深めていく
-
お互いを尊重し、多様性を認め合うことにより、いじめや差別が減る
-
子どもたち同士、また先生と子どもたちとの良好な関係が築かれる
-
子どもの権利が守られた環境で、子どもたちが安心して過ごせるようになる
-
子どもたちが主体的に学校づくりに参加できるようになる
-
子どもたちは大切にされていると感じ、学習意欲も高まる
-
子どもたちが社会をよくするために行動できると感じるようになる
-
-
長期的な効果
-
-
学校・園への帰属意識を高め、学校満足度が高まっていく
-
子どもたちの自己肯定感や自己有用感が高まり、生きる力を育んでいく
-
多様性を認めあう寛容で柔軟な、また責任ある市民として成長していく
-
積極的に地域・国際社会に貢献するための意欲と力を養っていく
-