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日本ユニセフ協会
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東日本大震災10年
「あの日から10年~支援現場の記憶」(4)
武居利恵さんのメッセージ

【2021年3月5日  東京発】

EYE SEE TOHOKUで宮城県の子どもたちと語り合う武居専門官。(2011年11月)

2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年。

当時、ユニセフとして半世紀ぶりの日本国内での支援活動の最前線に立ったユニセフの専門家から、被災された方々、そして、あたたかく力強いご支援をくださったみなさまに向けて、メッセージが届いております。

今回ご紹介するのは、被災地で保健と栄養分野での支援にあたった武居利恵さんからのメッセージです。

 

 


 

「みなさんこんにちは。ユニセフ本部で保健システム強化(支援事業)を担当している武居利恵です。去年の12月から南太平洋のパプアニューギニアに出張で来ています。

この国では、820以上の言語が存在して、国民900万人の87%以上が不便な田舎で生活をしています。そのため、保健を含めた社会サービス整備が整っていません。子どもを対象とする予防接種も約60%で停滞が続いています。

 

10年前の東日本大震災支援では、2011年8月から2012年の3月まで、保健と栄養事業の担当をしました。一番思い出があるのが、福島、宮城、岩手3県の子どもたち最大16万人を対象とした、インフルエンザの予防接種 支援事業です。日本ユニセフ協会の支援に加えて、釜石医師会、宮古市、新地市、相馬市が追加支援を行って、より多くの子どもたちの健康づくりに貢献できたことは非常に嬉しかったです。

 

また、ユニセフの写真家ジャコモ・ピロッチのEYE SEEというイベントを通じて、宮城県の子どもたちと一緒に1日を過ごしたのはとても印象深かったです。それぞれの表現力を活かしながら、再開したばかりの復興市場の写真を撮り、友だちや周囲の大人とのやりとりを通じて、とても前向きな姿勢が伝わってきました。

 

被災地のみなさまの事を考えると、今でも心が痛いです。特に当時一緒に仕事をした方々や、子どもたちの顔が浮かんできます。
今進行形のコロナ禍でも母子保健サービスの停止、子どもの教育や精神面でも悪影響が続いています。1日でも早くいつもの生活に戻れるように現地でも「コバックス」と言う枠組みを通じて新型コロナワクチンの導入に向けた準備に毎日追われています。皆様引き続きご支援をどうぞよろしくお願いします。

武居利恵さん(たけすえ りえ)

ユニセフ 保健専門官

※日本ユニセフ協会公式ホームページでは、3月1日から3月11日にかけて、ユニセフ東日本大震災緊急・復興支援に携わったユニセフ日本人職員等からのメッセージを順次紹介しています。

メッセージ一覧
「あの日から10年~支援現場の記憶」(1) 國井修さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(2) 井本直歩子さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(3) 竹友有二さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(4) 武居利恵さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(5) 近藤智春さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(6) 加藤正寛さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(7) 水野谷優さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(8) 安田直史さんのメッセージ

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