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日本ユニセフ協会
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東日本大震災10年
「あの日から10年~支援現場の記憶」(5)
近藤智春さんのメッセージ

【2021年3月8日  東京発】

2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年。

当時、ユニセフとして半世紀ぶりの日本国内での支援活動の最前線に立ったユニセフの専門家から、被災された方々、そして、あたたかく力強いご支援をくださったみなさまに向けて、メッセージが届いております。

© 日本ユニセフ協会

2011年から2012年、フィールドマネージャーとして岩手県内の支援活動を統括した近藤智春 専門官。

今回は、2011年初夏から2012年3月末までの約1年間、フィールドマネージャーとして岩手県内の支援活動を統括した近藤智春さんからのメッセージです。

想定を超える災害の中でも、保育中の乳幼児に被害は出なかった岩手県。そのとき保育現場はどのように子どもたちを守ったのか。近藤さんは、岩手県保健福祉部児童家庭課とともに、子どもたちの震災当日の避難行動をはじめ、保育再開までの道のりや災害対策を調査など、岩手県全域の保育所を対象に調査しまとめました。

 


「ユニセフ・ジンバブエの近藤です。東日本大震災の緊急支援では、日本ユニセフ協会の盛岡事務所で、フィールドオフィスマネージャーとして、一年間勤めました。

 

今でも印象に残っているのは、仮設園舎が完成して、子どもたちが初めて登園してきた日の朝、それまで一生懸命、園舎の準備をしてきた保育士さんたちと対面した時の子どもたちの笑顔、それ以上に親御さん達の安堵した表情が印象的でした。

 

一年の最後には津波と地震を経験し、避難所や仮設園舎での生活をしてきた園児さんたちの卒園式に参加させて頂いた時には、一年間子どもたちが無事に成長してきたことを実感でき、涙が止まりませんでした。

 

震災後の一年間、被災地の子どもたち、そのご家族の方、保育士さん、学校の先生方、役場の職員さんたち、コミュニティの方々と関わらせていただく中、子どもたちが、災害後に少しでも早く普通の生活に戻ることが、家族や地域の復旧復興に直接つながるということを改めて確認しました。

 

この度は、震災後10年が経ち、改めて日本ユニセフ協会の緊急支援を応援していただいた皆様、特に岩手県の皆様には、被災地の子どもたちのための支援活動へご協力いただき、ありがとうございました。

去年より新型コロナウイルス感染拡大が続く中、日本も含め、世界の子どもたちへの様々な影響が懸念されていて、現在ユニセフでは、様々な対策を世界規模で行なっております。

 

特に子どもたちの教育学習機会への影響は深刻な問題で、ジンバブエでもユニセフはラジオ学習放送や学校再開の準備への支援を行っていますが、学校閉鎖が続き、オンラインだけではなくテレビやラジオなどを通したリモート学習の機会にアクセスできる子どもはまだまだ限られています。

 

新型コロナウイルス感染拡大は、世界の子どもたちの間で格差をさらに広げる原因となっていて、近年の持続可能な開発目標(SDGs)で遂げた成果も失ってしまう恐れがあり、中長期的な社会の影響を考えて取り組むことが必要かと思います。

 

これからも世界の子どもたちのサポートをよろしくお願いします。

 

近藤智春(こんどう ちはる)

ユニセフ ジンバブエ事務所

※日本ユニセフ協会公式ホームページでは、3月1日から3月11日にかけて、ユニセフ東日本大震災緊急・復興支援に携わったユニセフ日本人職員等からのメッセージを順次紹介しています。

メッセージ一覧
「あの日から10年~支援現場の記憶」(1) 國井修さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(2) 井本直歩子さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(3) 竹友有二さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(4) 武居利恵さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(5) 近藤智春さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(6) 加藤正寛さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(7) 水野谷優さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(8) 安田直史さんのメッセージ

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