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日本ユニセフ協会

東日本大震災緊急募金

東日本大震災10年
「あの日から10年~支援現場の記憶」(8) 最終回
安田直史さんのメッセージ

2021年3月9日東京

2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年。

当時、ユニセフとして半世紀ぶりの日本国内での支援活動の最前線に立ったユニセフの専門家から、被災された方々、そして、あたたかく力強いご支援をくださったみなさまに向けて、メッセージが届いております。

今回は、フィールドマネージャーとして、主に岩手県内での支援活動の陣頭指揮を執った安田直史さんからのメッセージです。

 


皆さんこんにちは、安田です。

当時、僕はユニセフのベトナム事務所にいたんですけども、ユニセフ協会のアレンジで県の支援を担当することになりました。今はユニセフもリタイアして、近畿大学で教えています。

当時の思い出は、いっぱいありますね..

まず被災地で中断した子どもの予防接種、乳幼児健診を復活させたいという保健師さんたちの強い思いをぜひサポートしたいと思いました。

東日本

電気のないところでユニセフが世界中で使ってるソーラーパワーの冷蔵庫を調達し、またどこに避難してるかわからない子どもたちとその保護者にメッセージを届くように、博報堂さんの協力を得て作った可愛くて非常に目立つポスターやチラシを、あちこちの避難所に貼って、またマイクで宣伝しました。

世界中の予防接種キャンペーンで、ユニセフがやってることを逆輸入したという形でした。

当日は思った以上の子どもたちが集まってくれて、保護者と保健師さんたちが「予防接種ができなくて不安だったけどこれで安心した」と言ってくださったり、あるいは「この状況でもできるんだ」と言ってもらったことが、非常に嬉しかった記憶があります。

予防接種っていうのは、感染予防だけじゃなくって、人々の安心にもどれだけ繋がってるかっていうことを非常に深く感じた瞬間でした。

また、被災地の子どもたちが外遊びできないので外に遊びに連れて行ってあげようということで観光バスを仕立てて内陸の公園や広場に連れていくという企画もしました。

この時は予想を遥かに上回る子どもたちが参加してくれたし、またその子どもたちと一緒に遊んで見守ってもらうための若者ボランティアを募集したんですけども、これも県内の大学生とか若者がたくさん応募してくれました。

彼らの笑顔とはしゃぎ回る様子を見て、「この子どもたちが、若者たちが元気であれば、未来がひらける」というのを心から感じました。

被災地の方々は引き続き復興に向けて、大変な努力をされていることと思います。時間のかかる仕事でしょう。あの時の子どもたち、若者たちが力になってくれることを信じています。
今はコロナがまた新しい試練として変わっていますけれども、これにもみんなで力を合わせて立ち向かっていきましょう。

どうもありがとうございました。

安田直史(やすだ ただし)さん
近畿大学 社会連携推進センター 教授

 

※日本ユニセフ協会公式ホームページでは、2021年3月1日から3月11日にかけて、ユニセフ東日本大震災緊急・復興支援に携わったユニセフ日本人職員等からのメッセージを順次紹介しています。

メッセージ一覧
「あの日から10年~支援現場の記憶」(1) 國井修さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(2) 井本直歩子さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(3) 竹友有二さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(4) 武居利恵さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(5) 近藤智春さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(6) 加藤正寛さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(7) 水野谷優さんのメッセージ

「あの日から10年~支援現場の記憶」(8) 安田直史さんのメッセージ

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