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日本ユニセフ協会

ウクライナ緊急募金

ウクライナ危機100日
毎日2人以上の子どもが死亡 子どもたちへの壊滅的な影響に警鐘

2022年6月1日ニューヨーク

ユニセフ(国連児童基金)は、ウクライナ紛争激化からおよそ100日が経過し、子どもたちに対するその壊滅的な影響は、第二次世界大戦以来見られなかった規模とスピードであると、本日発表しました。現在、人道支援を特に必要としている子どもの数は、ウクライナ国内で300万人、避難先の難民受け入れ国で220万人以上にのぼっています。ウクライナの子どもの3人に2人近くが、紛争の影響で避難を余儀なくされています。

子どもの保護の危機

家族と住んでいたアパートの前を歩くボーダンさん(10歳)。度重なる爆撃によって破壊されてしまった。(ウクライナ、2022年4月15日撮影)

© UNICEF/UN0632750/Gilbertson VII Photo
家族と住んでいたアパートの前を歩くボーダンさん(10歳)。度重なる爆撃によって破壊されてしまった。(ウクライナ、2022年4月15日撮影)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が確認した複数の報告によると、ウクライナでは毎日平均2人以上の子どもが死亡し、4人以上が負傷しており、そのほとんどは、人口密集地で爆発性兵器が使用されたことに起因しています。子どもたちが必要とする民間インフラは、繰り返し被害を受け、破壊されています。この中には少なくとも256の保健・医療施設と、ユニセフが同国東部で支援する学校の6分の1が含まれており、それ以外でも、全国で数百の学校が被害を受けています。特に激しい戦闘が行われている同国東部と南部では、子どもたちを取り巻く環境はますます絶望的になっています。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「6月1日は、ウクライナと周辺地域の子どもたちを守るための国際デーです。残念ながら、この日をお祝いできる状況ではなく、何百万人もの子どもの生活を破壊した紛争激化から100日目となる6月3日を厳粛に迎えようとしています。即時停戦と交渉による和平が実現しなければ、子どもたちの苦しみは続き、この紛争の影響は、世界中の弱い立場にいる子どもにも及んでしまいます」と述べました。

ユニセフはまた、紛争が深刻な「子どもの保護の危機」を引き起こしていると警鐘を鳴らしています。暴力行為から避難している子どもたちは、家族離散、暴力、虐待、性的搾取、人身売買などの被害を受ける大きなリスクを抱えています。また、多くの子どもは、深い心の傷を負うような出来事を経験しており、特に、おとなの同伴者のいない子どもや、家族と離ればなれになった子どもは、安全、安定、子どもの保護サービス、心理社会的支援などを緊急に必要としています。そして何よりも、平和が必要なのです。

十分な支援のための即時停戦を

ハルキウから避難するための電車に乗り、残る家族に別れを告げる親子。(ウクライナ、2022年4月20日撮影)

© UNICEF/UN0637170/Gilbertson VII Photo
ハルキウから避難するための電車に乗り、残る家族に別れを告げる親子。(ウクライナ、2022年4月20日撮影)

同時に、紛争と大規模な人口移動によって、生計手段や経済的機会が失われ、多くの家庭が基本的ニーズを満たすための収入を得られず、子どもたちに十分な支援を行うことができなくなっています。

ユニセフは引き続き、即時停戦の実現、すべての子どもたちの保護、人口密集地での爆発性兵器の使用中止、民間インフラへの攻撃の中止などを求めています。また、ユニセフは、支援を要する子どもがどこにいても、安全かつ迅速に人道支援届けられるよう、環境整備を要請しています。

 

ユニセフによる活動

ユニセフが提供した医療物資を手にする病院スタッフ。ユニセフはウクライナで医療施設への支援を続けている。(ウクライナ、2022年4月20日撮影)

© UNICEF/UN0642115/Filippov
ユニセフが提供した医療物資を手にする病院スタッフ。ユニセフはウクライナで医療施設への支援を続けている。(ウクライナ、2022年4月20日撮影)

ユニセフとパートナーは、ウクライナと近隣諸国において、子どもの保護、水と衛生、保健、栄養、教育などの人道支援を、子どもとその家族に届けるために活動しています。

ウクライナで、ユニセフとパートナーは、紛争で被害を受けた地域の約210万人に対して保健・医療物資を配布し、水などのネットワークが損傷または破壊された地域に住む210万人以上に安全な水を届けました。また、61万人以上の子どもと養育者に対してメンタルヘルスと心理社会的支援を行ったほか、約29万人の子どもに学用品を届けることができました。さらに、ユニセフがウクライナ社会政策省と連携して実施する「人道的現金給付支援プログラム」には、厳しい状況にある約30万世帯が登録しました。

難民を受け入れている国々においては、主に最も弱い立場にいる子どもたちに必要不可欠なサービスと保護を担う国、自治体、地域のシステムに対して、ユニセフは支援を行っています。これには、国境警備員を対象とした人身売買防止のための研修、学習機会の拡大と難民の子どもの学校への受け入れ、ワクチンや医療品の調達、幼い子どもたちにとって重要な日常の感覚や休息を提供する遊びと学習の拠点の設置などに対する支援が含まれます。モルドバ、ルーマニア、ポーランド、イタリア、ブルガリア、スロバキアの主要な移動ルート上には、ユニセフなどが、避難している家族に支援とサービスを提供する安全な居場所、ブルードットを25カ所設置しました。モルドバでは、ユニセフが国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携して立ち上げた「多目的の現金給付支援プログラム」を通じて、5万2,000人以上の難民に支援を行いましたが、そのほとんどは母子家庭など女性が家計を担っている家庭です。

ユニセフは、ウクライナ国内で人道支援活動を行うための必要資金として6億2,420万米ドル、難民受け入れ国での支援については、3億2,470万米ドルを国際社会に要請しています。

 

■ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い

ウクライナでは、2022年2月から続く戦闘によって、今すぐに人道支援を必要としている子どもの数は、ウクライナ国内で300万人、避難先の難民受け入れ国で220万人以上にものぼっています。

ユニセフはウクライナ国内に留まり、子どもたちと家族のための支援活動を継続するとともに、周辺国に避難しているウクライナ難民支援も強化しています。

その活動を支えるため、日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けております。

避難を余儀なくされ、教育の機会を奪われ、恐怖におびえ心身ともに影響を受けている子どもたちとその家族に、人道支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

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