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日本ユニセフ協会

自然災害緊急募金

トルコ・シリア大地震
多くの学校が避難所に ユニセフ、安全な水など緊急支援

2023年2月7日ジュネーブ

トルコ南部とシリア北部の国境地域で6日、大地震が発生。ユニセフ(国連児童基金)は、シリア・トルコの両国で緊急支援を開始しました。

ユニセフ・シリア事務所代表のアンジェラ・カーニーが、7日、首都アレッポよりリモートで報告を行いました。下記はその概要です。

何千もの家屋が倒壊

アレッポ近郊のSalah Eddinにある避難所となった学校に避難する子どもたち。(シリア、2023年2月7日撮影)

© UNICEF/UN0778540/anonymous
アレッポ近郊のSalah Eddinにある避難所となった学校に避難する子どもたち。(シリア、2023年2月7日撮影)

また、ユニセフのジェームズ・エルダー広報官が、スイス・ジュネーブで7日に行われた国連定例記者会見において、被災した子どもたちと家族の状況や、ユニセフの緊急活動の進捗について報告しました。以下はその概要です。

トルコ・シリア国境地域で発生した今回の地震は、過去100年近くでもっとも規模が大きく、弱い立場にある子どもたちや家族は危機に直面しています。何千もの家屋が倒壊したため、人々は自宅からの避難を余儀なくされ、厳しい天候にさらされています。この時期、現地では気温が氷点下まで下がり、雪や氷雨が降ることも日常的です。

夜間は氷点下にまで下がる厳しい気候の中、シリアの北西部で暮らす国内避難民や、トルコの非正規居住地で生活するシリア難民の家族は、もっとも厳しい状況に置かれている人々です。シリア北西部では、長期にわたって続いているコレラの流行と、大雨や雪といった厳しい天候に、避難民の家族がさらされています。こうした状況と10年以上も続く紛争に加え、今回の地震は耐え難いほどの苦難です。

また、この地震によって数多くの学校、病院、その他の医療・教育施設が損壊し、子どもたちに非常に大きな影響を与えていることは明らかです。

安全な水など緊急支援

アレッポ近郊のAl Masharqa地区で、地震の被害から逃れた避難民や地域の人たちが倒壊した建物から、生存者の救助活動を行っている。(シリア、2023年2月7日撮影)

© UNICEF/UN0779025/Sanadiki
アレッポ近郊のAl Masharqa地区で、地震の被害から逃れた避難民や地域の人たちが倒壊した建物から、生存者の救助活動を行っている。(シリア、2023年2月7日撮影)

ユニセフは、被災地域での支援活動を開始し、切実に必要とされる支援物資をすでに届けており、被災地域の子どもたちや家族を安全な場所に避難させています。以下は分野別の支援活動の一例です。

水と衛生分野

シリアでは、被災した子どもたちと家族が安全な飲み水と衛生設備にアクセスできるようにすることに当面の焦点を当てています。災害発生時の初期は特に、感染症がまん延しやすい環境に子どもたちや家族が置かれてしまうため、水と衛生の支援は病気を予防するために重要です。

子どもの保護分野

家族と離ればなれになった子どもや同伴者のいない子どもを特定・保護し、家族と再会できるように支援をし、子どもたちに応急の心のケアを提供しています。

教育分野

トルコ全土とシリアの一部の学校は、現時点で、来週まで閉鎖されており、多くの学校は、被災した子どもたちや避難した家族の一時的な避難場所となっています。安全が確認され次第、学校を再開して子どもたちが教室に戻れるようにすることが、混乱の中でも子どもたちに日常と安心を与えるために重要です。

緊急支援物資

シリアのダマスカスに備蓄している医療物資やトラウマ対応キットが不足しているため、隣国レバノンとヨルダンの最寄りの倉庫から輸送し、医療品を含むすべての支援物資の当面の不足分を確保しようと努めています。すでに手術に用いる緊急医療物資と、高エネルギービスケットなどの栄養補給食品を、シリア国内へ輸送しています。

保健・栄養支援

シリア国内で避難している人々は、食料や基本的な栄養支援を必要としています。2歳未満の子どもたちと妊婦が必要とする栄養を提供することが、彼らの栄養状態のさらなる悪化を防ぐために非常に重要です。ユニセフは、他の国連機関やパートナーと連携し、その地域全域から栄養補助食品を集め、移動支援チームを通じて、保健・栄養支援を届けています。

またトルコでは現在、生存者の捜索と救助に重点が置かれており、ユニセフはトルコ政府および災害緊急事態対策庁(AFAD)と、より広範な人道支援活動に関連して発生する支援ニーズについて調整を進めているところです。ユニセフの支援物資には、衛生キット、毛布、冬物衣服などが含まれる予定です。

 

ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い

地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トルコ・シリア国境で発生した地震の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

お寄せいただいたご寄付は、被災した子どもと家族が1日でも早く日常生活を取り戻せるように、安全な飲み水や衛生用品等の緊急支援物資の提供、教育の再開支援、子どもの心理社会的サポートなど、ユニセフが被災地で行う緊急・復興支援活動に役立てられます。

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