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日本ユニセフ協会
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世界の子どもたち

ブータンにおける早期幼児開発
脳を刺激するECCDセンターでの学び

【2016年10月20日  ブータン発】

ブータンでは、2008年には数施設しかなかった早期幼児開発(ECCD)センターが、今では個人、NGOや企業が運営するものも含めて165施設に増えました。デイサービスとして開始した当初は子どものお守りという考え方に基づいていましたが、今では、より教育的な施設へと発展を遂げています。

脳の発達を促すECCDセンター

Students at the ECCD centre in Chamgang, Bhutan

©UNICEF Bhutan/2016/Mitra Raj Dhital

チャンガンカにあるECCDセンターで学ぶ子どもたち

ECCDセンターは、幼い子どもたちの脳の創造性、知性や社会性の発達を促す、初期の刺激を提供できる重要な施設です。

今日、教育省は、地域に根差したECCDセンターを設立すると同時に、政策立案や基準設定という重要な規制的な役割を果たしています。これらのセンターは地域の普通学校に併設されており、センターを終了した子どもたちがそのまま学校に就学できることで継続性を確保しています。これらのセンターのほとんどはユニセフが支援しています。

Parents, mostly mothers, stay throughout the day in the center alongside their children. In this photograph, they eagerly wait for the lunch bell to go off.

©UNICEF Bhutan/2016/Mitra Raj Dhital

子どもたちの親、ほとんどの場合母親は、子どもたちがセンターにいる間中彼らの側にいます。ここでは、お昼の鐘を待ちわびているところ。

首都ティンプーのチャンガンカにあるECCDセンターには、29人の生徒が通い、朝9時から午後5時まで、コミュニケーション、美術、読み書き、演劇、お話や積み木の主に6つの活動に参加します。それまでほとんどの子どもが母親に育てられてきたこの地域の両親にとって、2012年のこのセンター設立は、大きな安堵をもたらしました。「子どもの送り迎えをする男性はあまりいません」とセンターの2人の教師のうちの1人ペマ・エデンさん(23歳)は言います。「なぜなら、男性の半分以上はチャンガンカ中央刑務所(矯正施設)にいるからです」

両親向けの研修も

子どもたちに早期幼児ケアと教育を提供することで、ECCDセンターは小学校に上がるための準備を整えるだけでなく、両親に対しても前向きな養育方法についてアドバイスをしています。「私たちは、両親に子どもの養育に積極的に関わるよう奨励しています。そうすることで、親たちが子ども特有の発達や権利について理解し考慮する手助けになると期待しているのです」とペマ・エデンさんは述べました。

ペマさんや、彼女の同僚のネテン・デマさんのような教員は、ユニセフが開催するワークショップや研修、復習コースに定期的に参加し、子どもの養育に関する技術を高めています。

Pema Eden with five-year-old twins Nima and Dawa. The play station outside the center was constructed by parents of the children enrolled there.

©UNICEF Bhutan/2016/Mitra Raj Dhital

5才の双子ニマチャンとダワチャンと教師のペマ・エデンさん。センターの庭にある遊具は親たちが設置した。

おもちゃや本、教材はユニセフが提供しますが、両親は子どもたちの遊具の設置に協力しています。「私にとって、ここに来て手助けができるのが素敵なことなのです。何か目的のようなものを与えてくれるからです」とセンターで学ぶ子どもの母親のギアン・マヤ・グルングさんは述べました。「それに、先生からは娘の育て方についてアドバイスももらいます。今では、子どもをECCDセンターに通わせることがなぜ大切なのか理解しています。ここで娘が学んだことは、彼女が小学校に上がったときに必ず役に立つと確信しています」

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