メニューをスキップ
日本ユニセフ協会

新型コロナウイルス緊急募金

COVID-19
オミクロン株が猛威ふるうも 学校閉鎖は最終手段であるべき

2021年12月17日ニューヨーク

世界でのオミクロン株の感染拡大を受け、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは以下の声明を発表しました。

* * *

猛威ふるうオミクロン株

COVID-19の影響で学校が休校になったが、ソーラー式ラジオを使って、ラジオ授業を受ける女の子。(モーリタニア、2021年6月撮影)

© UNICEF/UN0495425/Pouget
COVID-19の影響で学校が休校になったが、ソーラー式ラジオを使って、ラジオ授業を受ける女の子。(モーリタニア、2021年6月撮影)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数は再び世界中で急増し、懸念すべき新たな変異株であるオミクロン株が感染拡大にますます拍車をかけ、公衆衛生の専門家や科学者がその詳細解明を急いでいます。先行きが不透明な中、多くの政府は学校を開き続けるべきかどうかを検討しています。しかし、一つだけ確かなことがあります。学校閉鎖がまた広がれば、子どもたちにとって悲惨な状況になるということです。

長期にわたる全国的な学校閉鎖、生徒・教師・保護者にとって限られた教育資源、遠隔学習へのアクセスの欠如は、教育における数十年もの進歩を帳消しにし、子どもたちから子ども時代を奪っていること、そして児童労働、児童婚、メンタルヘルスの問題が影を落としていることは明らかです。

子どもたちは学習の機会を失っただけではなく、学校という安全な場所、友人との日常的な交流、保健ケアへのアクセス、そして多くの場合、一日の中で唯一の栄養ある食事までも失いました。この世代の子どもたちが失った、生涯で得ることができたはずの収入は、合計17兆米ドルにものぼる可能性があります。

休校は最終手段

COVID-19の影響で未就学児向けの施設が一時的に閉鎖されたため、自宅を訪れたボランティアに教わりながら学習をすすめる4歳のスマイヤちゃん。(バングラデシュ、2021年8月撮影)

© UNICEF/UN0527763/Satu
COVID-19の影響で未就学児向けの施設が一時的に閉鎖されたため、自宅を訪れたボランティアに教わりながら学習をすすめる4歳のスマイヤちゃん。(バングラデシュ、2021年8月撮影)

そのため、全国的な学校閉鎖は、可能な限り避けなければならないのです。COVID-19の地域感染が拡大し、厳しい公衆衛生対策が必要になった場合にも、学校は最後に閉鎖され、そして最初に再開される場所でなければなりません。

学校での感染症予防対策が有効であることは分かっています。私たちはこの知識を利用しつつ、学校を継続するためにできることをすべて行う必要があります。また、デジタル接続への投資を増やし、子どもたちが誰ひとり取り残されないようにすることも必要です。

2022年までも、子どもたちの学習が中断される年になってはなりません。教育、そして子どもたちの最善の利益が優先される年にしなければなりません。

関連ページ