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日本ユニセフ協会

自然災害緊急募金

トンガ沖大規模噴火・津波
被災した子ども、3万6,500人 ユニセフ情勢アップデート

2022年1月21日スバ(フィジー)

1月15日に発生した火山の大規模噴火と津波の影響を受けているトンガに関し、当該地域の支援を管轄するユニセフ(国連児童基金)・太平洋島嶼国事務所による情勢アップデート(1月21日付)より、一部抜粋してお知らせします。

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3万6,500人の子ども被災

火山噴火と津波の被害にあった11歳のモウイさん。津波により家の中のものは流されしまった。(2022年1月22日撮影)

© UNICEF/UN0581166/Wolfgramm
火山噴火と津波の被害にあった11歳のモウイさん。津波により家の中のものは流されしまった。(2022年1月22日撮影)

トンガ政府は、今回の大規模噴火と津波によって、3万6,500人の子どもを含む約8万5,000人(人口の84%)が被災したとする推計を発表しました。トンガタプ島、エウア島、ハアパイ諸島で政府が実施した初期被害調査の結果、33棟の家屋が全壊したほか、238棟が重度から中程度の被害を受けたことが判明しています。

少しずつ被害状況が明らかになる中で、ユニセフ・太平洋島嶼国事務所は、トンガ政府と現地パートナーによる初期ニーズ評価に基づき、トンガの子どもたちとその家族の命を守る支援を開始し、国際社会に270万米ドルの資金支援を求めています。水と衛生物資やレクリエーション・キットなど、約10トンのユニセフの緊急支援物資は、1月21日にオーストラリア海軍の船でオーストラリアを出発し、翌週中にトンガに到着する予定です。

分野別アップデート

<水と衛生>

現在入手可能なデータによると、およそ5万人が安全な飲料水を十分に入手できずにいます。トンガ水道局は水質分析を行い、首都の水道は飲んでも安全であるとの勧告を出した一方で、さらなる情報が得られるまで、雨水を飲まないように住民に勧告しています。現在も水の確保が最優先課題であり、水質検査は継続中です。ユニセフは、水と衛生物資、尊厳キット、携帯用水質検査機器、折りたたみ式水容器を含む物資を、第一便としてトンガに輸送しています。

船で被災地に送られているユニセフ支援物資第一便の発送準備には、昨年夏の東京五輪開会式でトンガ選手団の旗手も務めた、ユニセフ親善大使のピタ・タウファトファ選手も協力した。ピタ選手は、「トンガに必要な物資を支援くださるユニセフとオーストラリア政府に、これ以上ないほど感謝しています。また世界もトンガの惨状を理解し、親切な対応を開始してくださっています」と述べている。 (オーストラリア、2022年1月18日撮影)

© UNICEF/UN0579398/
船で被災地に送られているユニセフ支援物資第一便の発送準備には、昨年夏の東京五輪開会式でトンガ選手団の旗手も務めた、ユニセフ親善大使のピタ・タウファトファ選手も協力した。ピタ選手は、「トンガに必要な物資を支援くださるユニセフとオーストラリア政府に、これ以上ないほど感謝しています。また世界もトンガの惨状を理解し、親切な対応を開始してくださっています」と述べている。 (オーストラリア、2022年1月18日撮影)

<保健・栄養>

トンガタプとノムカで、少なくとも2つの保健施設が被害を受けたと報告されています。保健省(MOH)は、エウア島の被災地で必要な保健サービスを届けるための、アウトリーチサービスを実施しています。

<子どもの保護>

トンガタプ、エウア、ハアパイでは、今回の災害によって約8万5,000人が心理的影響を受けていると推測されています。トンガタプでは、15人のチームが、尊厳キットを配布しながら心理社会的支援を行っています。また、訓練を受けた80人の教会ボランティアが、心理的応急処置を提供するとともに、さらなる支援を必要とする子どもを特定したり、保護者に対して子どもの保護の問題に関する啓発や、子どもに寄り添った子育ての支援などをおこなっています。

<教育>

トンガには280の学校(幼稚園-97、初等教育-129、中等教育-54)があり、3万2,372人の子ども(幼稚園-2,340人、初等教育-1万4,321人、中等教育-1万5,711人)が在籍しています。学校への主な被害は、学校の施設やグラウンド、給水設備への火山灰の影響です。当初1月31日に予定されていた新学期の開始には、多少の遅れが出る可能性があります。テントや学用品キットなど、トンガで備蓄されていたユニセフの緊急時の教育のための支援物資は、教育訓練省によって利用可能な状態です。

<住民への働きかけ>

トンガの保健省は、全国的なラジオ放送を通じて、火山灰の影響を回避するため外出時にはマスクを着用することや、水は沸騰させてから飲むことなど、自身の健康や安全を守るための行動を呼びかけています。ユニセフは、人々のそうした行動を促進するために、パンフレットやソーシャルメディアを含めたコミュニケーションツールの活用を後押ししています。

 

 

ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い

地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けております。トンガ沖大規模噴火・津波で被災した子どもたちを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるために、ご協力をお願い申し上げます。

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