生まれる環境は選ぶことができない。世界にはどのような不平等があるのか見てみよう。
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年間500万人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に亡くなっています。約6秒に1人、世界のどこかで幼い命が失われているのです。
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約5,900万人の小学校就学年齢の子どもたちが、学校に通えずにいます。「女の子だから」「貧しいから」「障がいがあるから」、理由は様々です。
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極度の貧困状態*の下で暮らしている7億1,000万人のうち、子どもは3億5,600万人。 新型コロナウイルスによる経済悪化の影響で、貧困に苦しむ人が増える可能性が指摘されています。
*国際基準で定められた1日1.9米ドル未満の生活。
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世界の赤ちゃんとお母さんを守る日本発祥の「母子健康手帳」
日本は、乳児死亡率が世界で一番低い国の一つです。一役買っているのが「母子健康手帳」。妊娠中及び出産時の母子の状態、子どもの成長・健康状況を、継続的に記録するための冊子です。予防接種や健診、成長のようすが一目でわかり、問題があったときにも早く発見し、対処することができます。
日本は政府開発援助(ODA)を活用して20年ほど前から、アジア・アフリカ諸国で母子健康手帳を広める国際協力を進めています。お母さんや家族の保健の知識を向上させ、妊産婦と乳幼児の健康状態を改善していく。母子健康手帳にはそんな知恵が詰まっています。
生まれる環境は誰も選ぶことができません。自分ではどうしようもないことで、将来の制約を受ける、そんな不平等を克服するための、ひとつの取り組みです。開発途上国の多くのお母さんと赤ちゃんが直面している問題にかかわるデータ
- <産前・産後のケアの不足>
- 妊娠・出産中の合併症が原因で死亡する女性は年間29万5,000人(1日約808人)もいます。
- <栄養不良>
- 世界の5歳未満児の22%(1億4,920万人)が日常的に栄養を十分に取れず、発育阻害の状態にあります。乳幼児期の栄養の不足は、身体だけでなく知能の発達も遅らせ、その影響は生涯にわたるものとなります。