11月20日の「世界子どもの日」は、1954年、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、国連によって制定されました。
毎年の11月20日には、子どもの権利の認識向上と子どもの福祉の向上を目的として、世界中で子どもたちが主体となって参加する催しが行われています。子どもに関わるすべての人が、子どもの権利条約にうたわれている権利の実現に向けて取り組むことはもちろん、子どもたち自身が、自分たちの持つ権利について知り、学び、声を上げていくことがとても大切です。
1959年11月20日には国連総会で「子どもの権利宣言」が採択され、その30年後の1989年の11月20日、すべての子どもに人権を保障する初めての国際条約『子どもの権利条約』が、国連総会で採択されました。この条約が生まれたことにより、世界中で子どもの保護への取り組みが進み、これまでに多くの成果が生まれました。

© UNICEF/UN0146314/Nesbitt
ニューヨークの国連本部で行われた「世界子どもの日」を記念したイベント参加した子どもたち。(2017年11月20日)

世界では、4億1,200万人の子どもが極度の貧困の中で暮らし、9億人近くの子どもが住居や食事、教育、医療などの基本的なニーズを満たせずにいます。一方で、子どもたちが日々直面している状況は、こうした数字だけでは語りきれません。
「My Day, My Right(わたしの一日。わたしの権利。)」は、子どもたち自身の目線で語られる日常を通して、権利がどのように守られているのか、あるいは失われているのかを世界に伝える取り組みです。
「もし世界があなたの話に耳を傾けてくれるとしたら、あなたの一日と権利について何を伝えますか?」
この問いに対する子どもたちの声は、私たちおとなに責任と行動を求めるメッセージでもあります。その声に耳を傾けることから、子どもの権利を守る一歩が始まります。

©NHK・NED・SME
2022年に『ツバメ 世界こどもの日プロジェクト』としてスタートしその翌年からは『スゴEフェス』として放送されている、NHK Eテレの「世界子どもの日」企画。
世界中の子どもの権利が守られることを目指しユニセフがロゴに掲げる言葉、「for every child~すべての子どものために」のメッセージが、2025年も多彩な番組や企画を通じて発信されています。
11/3-11/4放送の「The Wakey Show~ユニセフ・ソングパーティー」は、ほぼ全編がユニセフハウスで撮影され、ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長と長谷部誠日本ユニセフ協会大使も出演しました。

©NED
ユニセフがこども家庭庁と共催で展開する子どもの権利の啓発普及キャンペーン「こどものけんりプロジェクト」は2年目を迎えました。NHKエデュケーショナルの協力のもと、子どもの権利の正しい理解と普及のための教材や、その活用をサポートするツールを提供しています。
2025年は、子どもや若者の声を未来に残すための取り組み「ユニセフ気候変動アクション2025」を実施。気候変動について学べる特設サイトやSNSなどで集めた300以上の意見は、有志の学生が提言にまとめ、ユニセフがCOP30へ届けました。
プロジェクトのテーマソング「“こえ”のうた」は英語版、合唱版に加え「みんなの“こえ”のうた(インクルーシブver.)」を公開。応援キャラクターであるジーンとケーンはNHK Eテレ「The Wakey Show」に出演中です。

© NHK
「“こえ”のうた」は、「こどものけんりプロジェクト」のテーマソングです。「子どもの権利条約」の4つの原則の一つ、「子どもの声を聞くこと」をモチーフに、楽曲が制作されました。
“こえ”とは、一人ひとりの気持ち、考え方、意見、そして権利の“たとえ”です。どんな人も生まれながらに“こえ”をもっていて、どんな“こえ”も優劣のない、かけがえのないものだというメッセージが込められています。
※「“こえ”のうた」の歌詞や譜面(同声2部合唱、斉唱、ピアノ伴奏譜)および、英語版「Song for the Voices」の歌詞は、特設サイトより無料でダウンロードできます。

©NHK・ユニセフ・Sesame Workshop
「みんなのfor every child」は子どもに向けたSDGs(持続可能な開発目標)教育を目的とした、NHK・ユニセフ・セサミワークショップによる共同キャンペーンです。
毎週土曜日17:24~NHK Eテレで放送中の番組では、子ども番組の人気キャストやキャラクターたちが、セサミストリートのエルモ・クッキーモンスター・ジュリアを聞き手に、「すべての子どもたちに必要だと思うこと」を伝えています。

「for every child(すべての子どものために)」は、世界中の子どもの権利が守られることを目指しているユニセフが、ロゴマークに添えて掲げている言葉です。
for every child, education-「すべての子どもに、教育を」
for every child, safe water-「すべての子どもに、安全な水を」
for every child, peace- 「すべての子どもに、平和を」
for every child, hope-「すべての子どもに、希望を」...。
世界の子どもたち一人ひとりに必要なこと。ぜひ、ご一緒に考えてみてください。
(データ更新:2025年11月)
子どもの権利条約が採択されてから30周年を迎えた2019年、ユニセフは報告書を発表し、30年の成果と新たな課題を提示しました。世界の子どもたちを取り巻く状況は全般的に改善しているものの、最も貧しい子どもたちの多くはいまだその恩恵を得られていないと指摘しています。