2025年11月10日東京/ニューヨーク発

11月20日は「世界子どもの日」。2025年のテーマは「My Day, My Right」(わたしの一日。わたしの権利。)です。
世界の子どもたちは、毎朝それぞれの現実の中で目を覚まします。家庭環境や暮らす地域は違っても、すべての子どもには共通の権利があります。学ぶこと、遊ぶこと、安全に守られること、健康に過ごすこと、そして自分らしく生きること——それはすべての子どもに保障されるべき権利です。
これらの権利は、何十年にもわたり世界で守られてきました。子どもの権利条約は、史上最も多くの国に批准された国際条約です。各国政府は、どこかの子どもを守ることが、より安定し、豊かな世界を築くことにつながると信じ、子どもへの投資を続けてきました。
しかし今、こうした権利が脅かされています。かつては当然とされていた価値が、今や疑問視されるようになっています。偽情報や差別的な言説が広がり、市民社会の空間が狭まる中で、貧困、紛争、気候変動による影響、そして子ども関連予算の大幅な削減が、子どもたちの命と未来を危機にさらしています。今こそ支援が必要な時です。
このまま何の対策も講じなければ、2030年までに何百万人もの子どもたちが、予防可能な死、教育からの排除、そして深刻な困窮に直面することになります。
「My Day, My Right(わたしの一日。わたしの権利。)」

多くの子どもが、年齢以上の責任を背負いながら暮らしています。弟妹の世話をし、おとなの役割を担い、自力で学び、過酷な環境の中で日々を生き抜いています。
毎日、4億1,200万人の子どもが極度の貧困の中で暮らし、1日あたり3ドル未満で生活しています。さらに約9億人の子どもが、住居、栄養、清潔な水、教育、医療といった基本的なニーズを満たせずにいます。こうした状態は、子どもたちから可能性や尊厳、希望を奪ってしまいます。
さらに、子どもたちの毎日は、こうした数字だけでは語りきれない現実に満ちています。
「My Day, My Right(わたしの一日。わたしの権利。)」は、子どもたち自身の目線で語られる日常を通して、権利がどのように守られているのか、あるいは失われているのかを世界に伝える取り組みです。
「もし世界があなたの話に耳を傾けてくれるとしたら、あなたの一日と権利について何を伝えますか?」
この問いに対する子どもたちの声は、私たちおとなに責任と行動を求めるメッセージでもあります。その声に耳を傾けることから、子どもの権利を守る一歩が始まります。
11月20日は世界子どもの日。子どもたち自身の声に耳を傾けてください。

© UNICEF/UNI887521/
教育を受ける権利の大切さを自分の言葉で語る、パラグアイのアグスティンさん(11歳)
すべての子どもが、
同じように教育を受けられるわけじゃない。
ぼくはいろんなことを学びたい。
そして、ほかの子どもたちも、
そうできるようになってほしい。
(アグスティン・11歳・パラグアイ)

© UNICEF/UNI887547/
すべての子どもが持つ権利について言葉で語る、トルコのエリフさん(10歳)
世界子どもの日、
わたしはすべての子どもが笑顔になれるようにしたい。
だって、笑顔はみんなの権利だから。
(エリフ・10歳・トルコ)
世界子どもの日とは

© UNICEF/UN0146314/Nesbitt
ニューヨークの国連本部で行われた「世界子どもの日」を記念したイベント参加した子どもたち。(2017年11月20日)
11月20日の「世界子どもの日」は、1954年、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、国連によって制定されました。
1959年11月20日には国連総会で「子どもの権利宣言」が採択され、その30年後の1989年の11月20日、すべての子どもに人権を保障する初めての国際条約『子どもの権利条約』が、国連総会で採択されました。この条約が生まれたことにより、世界中で子どもの保護への取り組みが進み、これまでに多くの成果が生まれました。
























