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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2001年3月26日 信濃毎日新聞掲載>

子どもの権利 認識まだまだ
<アフガニスタン>

紛争で荒廃したアフガニスタンの首都カブール。毎日ごみをあさったり、チューインガムやたばこを売ったりして生活する子どもたちが何千人といます。10歳のナングヤリも、家族を支えるためにごみをあさったり、プラスチックや使用済みの紙を売ったりして生活しています。

アフガニスタンでは、紛争が21年前から続いています。この国で育った子どもたちは、平和を知りません。ナングヤリは、家族と4年前に故郷を追われて、カブールに来ました。ここに来る前は、お兄さんとよく将来のことについて話すこともありましたが、今ではあまりありません。

社会と経済が不安定なため、家族を助けるためにカブールだけで3万人以上の子どもが働いています。アフガニスタンの子どもたち約440万人のうち、約340万人(女子200万人、男子140万人)は学校へ行っていないといわれています。

アフガニスタンの子どもたちは、外の世界のことをほとんど知りません。1996年にカブールを制圧したタリバンは、テレビやビデオ、写真や雑誌などあらゆるメディアを禁止したので、外部との接点はラジオしかありません。教育を受ける権利も、情報を得る権利も、子どもが夢を見る権利さえも、守られていると言いがたい状況にあります。

子どもの権利条約は、アフガニスタンではほとんど知られていません。そこでユニセフは、この条約を公用語に翻訳し、一般向けに1000部発行しました。ポスターやパンフレットも作成しました。

コーランの詩句を引用することで、政治や宗教指導者たちにも子どもの権利条約を知って、受け入れてもらえるよう、工夫もしています。しかし欧米の考えを敬遠する傾向の強いアフガニスタンで、子どもの権利の認識を広めるには、まだまだ時間がかかりそうです。

「大きくなったら数学を勉強して、医者になりたいと思っていたけど…」。小さな乾いた唇でナングヤリはつぶやきました。「でももう、僕の未来を知っているのはアッラーだけだよ」

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