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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

≪2002年7月8日掲載≫

家のない子の自立促す「ホーム」
<アンゴラ>



アフリカ南部の国、アンゴラの首都ルアンダ。ここにあるパドロラシオセンターの窓はすべて鉄格子でふさがれています。一見刑務所風のこの建物が、ストリートチルドレンの「ホーム」として誕生したのは4年前。以来このセンターは子どもたちの自立を目指し、子どもが17歳になるまでに技能と仕事を身につけさせて、社会に送り出すことを目的としています。


今日、ここに一人の少年が新しくやってきました。11歳のナンドはついこの間まで、ルアンダのストリートにひとりで暮らしていました。鋭い目つきと、あかで真っ黒になった顔と体にある無数の傷が、ストリートの生活の厳しさを物語っています。左足には手のひらほどの大きさの傷を負っていました。センターで子どもたちの世話をするビリアト神父は街でナンドに出会い、この施設に来るよう説得したのです。

治安の悪いルアンダのストリートでの生活は常に暴力や危険と隣り合わせです。技能を持たない子どもたちは仕事もなく、泥棒や物ごいをして生きていくしかありません。親のいないストリートチルドレンの数は、ルアンダだけで2千人とも3千人ともいわれています。


98年に始まった内戦以来、国内情勢は悪化し続けています。260万人もの国内避難民が存在し、そのうち約7割が女性と子どもだといわれています。アンゴラの子どもたちは栄養不良、伝染病、誘拐などの危険とたたかいながら毎日を生きているのです。

センターが世話をできる子どもの数は限られています。ビリアト神父は言います。「私たちのしていることは大河の一滴のように小さなものです。しかし、たとえそうだとしても、子どもたちに希望を与え続けたいのです」

センターは、神父と同じ気持ちの人々の寄付によって運営されています。ユニセフもこのセンターを支援し、99年にはキャロル・ベラミー事務局長がセンターを訪れました。

ナンドは傷の手当てを受け、シャワーを浴びて、新しいシャツに着替えました。今日、センターに新しい「家族」がひとり加わりました。


一滴の水が、いつかアンゴラの乾いた大地のオアシスになるように、これからもセンターは家のない子どもたちの「ホーム」であり続けます。

<2002年6月22日(ユニセフ) ルワンダ
ユニセフ・アンゴラ広報担当官 Kent Page>

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