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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

≪2003年7月9日掲載≫

誘拐の恐怖が子どもたちを脅かす
<コロンビア>

 ここ数年、コロンビアでは国のいたるところで武力紛争が激化しています。この止まらない流れの中で、子どもたちは武力紛争の様々な面で、直接・間接的に、容赦のない影響を受けています。およそ7000人の子どもたちが、武装集団に兵士として使われていると推測されており、7000人以上が都市部での民兵となっています。これらの子どもたちのうち、18%が少なくとも一人の人間を殺したことがあり、60%が人が殺されるところを目撃しています。78%は、損傷した遺体を見たことがあり、25%が誘拐を目撃し、13%は実際に誘拐に加わったことがあります。18%は拷問を目撃したことがあり、40%は、誰かに向けて銃を撃ったことがあり、28%が怪我を負ったことがあります。武装集団に巻き込まれる子ども(11〜17歳)の割合を性別で見ると、70%が男の子で、30%が女の子です。

 これらの子どもたちや若者は、多くのチャンスを失っています。そして、武力紛争に巻き込まれることによって、その権利を奪われきました。例えば、教育面では、紛争に巻き込まれた子どもたちが学校に寄せる期待と、実際の教育システムが彼らに与えることのできるものとでは、大きな食い違いが起こっています。ここで、子どもたちが学校をやめてしまう主な理由として以下のようなものが注目されます。
燿30%:学校がきらい
燿30%:武装集団に加わった
燿12%:仕事をしなければならない

 最近、コロンビア国会の上院とアンティオキア州知事局が開催した「第1回人道主義的合意と誘拐された子どもたちに関する国際パネル」において、ユニセフ・コロンビア/ベネズエラ代表のマニュエル・マンリック氏が、こうしたコロンビアの子どもたちの厳しい現実を報告しました。この会合は、コロンビアにおいて、慢性的に国際人道法を犯すような事態が続いている現状の分析について、多様な参加者からなる国内的・国際的な組織を作る目的で開催されました。中心的なテーマとなったのは、おとなや子どもの誘拐が、ゆすりや政治的な手段になってしまっていること、また、紛争のさなかにあって犯罪ビジネスとなってしまっていることでした。ユニセフのアメリカ・カリビアン地域事務所の緊急事態アドバイザーのニディア・キロス氏もこれに参加し、「社会に再統合された子ども兵士が抱える心理的反動について」というテーマで報告を行いました。

 この国で子どもたちが巻き込まれる武力紛争の他の様々な側面と同様、誘拐は劇的です。“Pais Libre”という団体の情報によると、1997〜2003年の間に合計で18,242人が誘拐されています。今年の最初の3ヶ月間だけでも、486人の子どもが誘拐されました。このうち154人はいまだに解放されずにおり、139人は救出されました。137人が解放され、24人は捕らわれている間に亡くなりました。20人は圧力を受けた捕虜によって解放され、12人は自力で逃げました。

 「国際パネルへの参加は、この国の非常にセンシティブな問題を議論する大変重要な機会となりました。そして、上院によってこの会議が開かれたことで、この問題の重要性を国会に示すことになりました」とマンリック代表は述べました。「子どもの誘拐と武装集団に巻き込まれた子どもの問題に代表される深刻な事態は、明らかです。子どもに、これらの難問に対するよりよい答えを与えられるよう、統合的な政策が作られることが重要です」

ボゴタ2003年7月4日(ユニセフ)
ユニセフ・コロンビアのウェブサイトより

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