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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

グアテマラ:HIV母子感染予防

【2009年2月5日 グアテマラ】

© UNICEF video
初めての出産の前に、HIV感染検査を受けるオダリズさん(19歳)。

オダリズ・キャンレイさん(19歳)は、第一子を妊娠しています。ユニセフの支援により、オダリズさんは、HIV感染検査を受けています。グアテマラでは、おとなのHIV感染率は1パーセント未満と低い値なのですが、オダリズさんは、自分がHIVに感染していないことを確かめたかったのです。

オダリズさんは、HIV感染検査を受けるのに、母親についてきてもらうことにしました。 二人は、家から一番近くの国立病院へ向かいました。その病院で、オダリズさんは、定期的な出産前検診の一環として、HIV感染検査を受けることになっているのです。

グアテマラでは、およそ5万9,000人の人々が、HIVと共に生きています。オダリズさんは、彼女が住むアロテナンゴ村の人々は、HIV/エイズを話題にすることさえ怖がっていると、言います。そして、HIVについて誤った考え方を持っているとも。

「例えば、HIV陽性の女性がいたら、人々は、その女性に触りたがりませんし、その女性やその女性の子どもと、自分たちの子どもを一緒には遊ばせません。」とオダリズさん。「多くの偏見や差別があるのです。」

グアテマラの母子感染予防(PMTCT)への努力

ユニセフは、グアテマラでのユニセフのHIV/エイズの取り組みとして、母子感染予防(PMTCT)に焦点を当てています。ユニセフは、最近、技術的な支援、人的資源、妊産婦へのHIV感染検査を、国内の37の国立病院のうち、15の病院で支援しています。

ユニセフはまた、HIVと共に生きる子どもたちのエイズ発症予防に力を入れています。2年前は、グアテマラには小児専用の処方方法がありませんでした。そこで保健員は、とてもリスクの高い方法をとっていました。おとな用の薬を半分に切って処方していたのです。子どもたちは、おとなとは異なる量、異なる薬が必要であるという事実が無視されていたのです。

以来、ユニセフは、グアテマラ政府に対して小児治療のための資源を提供しています。例えば、クリントン基金との提携を通じ、無料で、グアテマラの子どもたち150人の抗レトロウイルス薬(ARV)治療を一生涯行うというものです。

ユニセフからの支援を受けて、2006年には、約840人のグアテマラの子どもたちが、抗レトロウイルス薬治療を受けました(2005年には、356人が治療を受けました)。しかしながら、まだ残っている課題もあります。それは、子どもたちに早い段階で検査を受けさせ、きちんとした診断を早急に行うことです。多くの場合、保健センターに子どもたちがやってくるときには、すでに治療が難しい状態になっているのです。

母親への教育

オダリズさんは、混雑した病院の廊下に座って、母親と話しながらHIV感染の検査結果を待っています。オダリズさんの周りには、たくさんの妊産婦が同じく検査結果を待っています。10人の子どもを産むことが珍しいことではないグアテマラでは、避妊について議論されることはほとんどありません。

ヴィルマ・サラザル看護師は、病院に来る多くの女性がHIVについてほとんど何も知らないと言います。

「彼女たちは、ラジオで聞いたりテレビ見たりして、少しは知識があるかもしれません。でも、私が、彼女たちに何を知っているのかを尋ねると、たいてい彼女たちは、黙ったままです。これは、文化的なもの、恐怖心、羞恥心などと関係しています。」

差別や偏見の恐ろしさ

アナさん(仮名、24歳)は、妊娠後期にHIVに感染していることを知りました。血液検査で、HIV陽性であることが明らかになり、その後の検査で、アナさんの夫と赤ちゃんもまた、HIV陽性であることが判明しました。アナさん一家は、現在、抗レトロウイルス薬治療を受けていますが、アナさんは、自分たちがHIV陽性であることを、友達や近隣の人々に知られることを恐れています。

「村の人々は誰も私たちがHIVと共に生きていることを知りません」と、アナさんは話します。「村の人々に、このことを話すつもりはありません。みんな、自分たちにHIVが感染すると思って怖がりますから。」

待つこと一時間。オダリズさんは、診察室に呼ばれました。オダリズさんはいすに座り、検査結果を聞きました。結果は、陰性。オダリズさんは、HIVの予防方法について看護師と話し、次の出産前健診の予定も決めました。

オダリズさんは、廊下に戻ると、母親に検査結果を伝えました。オダリズさんはまた、看護師から聞いたことも母親と共有します。「予防は、次の世代がHIVに感染しないための鍵なのよ!」

「子どもとエイズ世界キャンペーン」

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