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公益財団法人日本ユニセフ協会
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エボラ出血熱緊急募金 第4報
ギニア共和国:エボラ出血熱が発症
日本政府による52万米ドルの緊急支援が決定

【2014年4月1日 コナクリ(ギニア)・ダカール(セネガル)発】

2014年4月1日、ユニセフはギニア及び周辺国でのエボラ出血熱の発症に伴い、概況レポートを発表しました。エボラ出血熱の発症状況やユニセフの支援活動についてお伝えします。

ギニア及び周辺国の概要

−ギニア、リベリア、シエラレオネ、コートジボワール、セネガル、マリ、ギニアビサウ−

ギニアとリベリアでエボラ出血熱が確認されています。また、感染が疑わる症例も多数確認されており、確認作業が進められています。成人、特に医療関係者など感染した人と継続的に接触している人は、エボラ出血熱の感染リスクが高くなります。

ユニセフは保健省や赤十字などのパートナー団体と協力し、ギニア及び周辺地域で予防や非常時への備えのための活動を実施しています。

また、ユニセフはギニアや周辺国で、エボラ出血熱に対する各国政府の対応を支援するため、必要な医薬品や医療物資、備品を提供し、予防や感染拡大を防ぐために開発のための教育(C4D)キャンペーンも実施しています。

ギニア共和国及び周辺国のエボラ出血熱の発症状況。
©MoH Guinea, WHO, UNICEF sitreps
ギニア共和国及び周辺国のエボラ出血熱の発症状況。

情勢アップデート(2014年4月1日時点)

・ギニア:エボラ出血熱の発症35件、感染の疑い92件
2014年1月から4月1日までに、ギニアでは合計127件(発症35件、感染の疑い92件)の症例が確認された。うち、65%にあたる83名が死亡。これまでに65件の症例サンプルが検査され、うち35件がエボラ出血熱陽性であることが確認された。感染は主に、ゲケドゥ、マセンタ、 キシドゥグ、ダボラ、ディンギラエ、コナクリなどで発生している。

・リベリア:エボラ出血熱の発症2件、感染の疑い8件
リベリアでは合計8件の感染の疑いが報告され、そのうち2件がエボラ出血熱であることが確認された。4名が死亡し、ギニアのパスツール研究所と協力して、パートナー団体を通して確認作業を進めている。保健・社会福祉省は3カ月の対応計画を立案し、120万米ドルの資金援助を要請。

・シエラレオネ:エボラ出血熱の発症0件
現在、シエラレオネでの感染は確認されていない。2件の死亡の原因がエボラ出血熱である疑いがもたれ、接触をしていた15名の血液検査を実施したが、エボラ出血熱への感染は確認されなかった。分子ウイルス学者を含める専門家のチームは、これらの15名の血液サンプルのエボラ、黄熱、マールブルグ・ウイルスの検査をケネマのラッサ熱研究所で実施する予定。調査や監視を高めている。

・セネガル、コートジボワール、ギニアビザウ、マリ:
その他の周辺国では、疑わしい症例や感染の報告はされていない。ユニセフはエボラ出血熱の発症を予防するため、マリ、セネガル、コートジボワール、ギニアビザウで行われている非常時への対応準備キャンペーンの支援を行っている。

ユニセフに対する資金調達状況(2014年3月31日時点)

ギニア:
必要支援額計:170万米ドル
調達支援額計:21万米ドル
不足額計:150万米ドル

リベリア:
必要支援額計:120万米ドル
調達支援額計:32万5,400米ドル
不足額計:87万4,600米ドル

シエラレオネ:
必要支援額計(6カ月):87万米ドル
調達支援額計:0ドル
不足額計:87万米ドル

子どもの生存と発達への支援

ギニア:
エボラ出血熱の発症に関する政府の正式発表から間もなく、ユニセフはエボラ出血熱への対応や子どもと家族を保護するため、最も感染が確認されている地域(ゲケドゥ、マセンタ)に5トンの医薬品や医療物資、備品を配布。

ユニセフは医療関係者やその家族を含め、エボラ出血熱の感染者が出ている地域の住民を感染から守るため、病院の殺菌消毒処理や、せっけんや塩素、手袋などの支援物資を提供。
ユニセフがこれまでに提供したもの:
・液体状の塩素6万ボトル
・せっけん約20万個
・手袋13万4,000組
・消毒噴霧器15個、次亜塩素酸カルシウム1,485kg

リベリア:
ユニセフは政府や国の保健チームを通じ、リベリア国内のエボラ出血熱発症への対応を実施。

ユニセフがこれまでに提供したもの:
・エボラ出血熱の発症をうけて再構築された保健危機に関する国の特別委員会の水と衛生委員に対して専門家のアドバイスを実施
・保健・社会福祉省が隔離棟を設置するための大きなテント2張
・小スペースでも隔離が必要になった場合に使用・設置する防水シート2枚
・手洗い用のせっけん125カートン
・塩素45kg
・エボラ出血熱に感染された場所や物を消毒するためのスプレー2缶

シエラレオネ:
エボラ出血熱の発症に備えた対策計画の一環として、緊急保健物資や水と衛生物資をシエラレオネの公衆衛生局や地域の医薬品店に事前に配置。

コートジボワール:
ユニセフは血漿増量剤2,000袋、手袋500組、隔離棟を設置するためのテント4張を提供する予定。

セネガル:
ユニセフは緊急時への備えの一環として、備蓄支援物資を発注。

開発のための教育(C4D)

ギニア:
ユニセフは政府や国内のNGO2団体と協力し、以下の国の情報計画の作成の支援を実施している。
・最も感染が出ている地域の家庭では戸別訪問をし、エボラ出血熱への認知の向上、せっけんや手袋、塩素の配布
・TVやラジオを通して予防方法を広く拡散
・せっけんを使った手洗い、安全な遺体処理の方法、家庭で実施できる塩素を使った水処理の方法などの情報が載ったポスターやチラシを配布

リベリア:
ユニセフは以下の対応を実施。
・パートナー団体の活動を調整するため、国の特別委員会の緊急情報・保健委員の議長を務める
・政府、国際NGO、市民社会、メディア、企業関係者など、さまざまなパートナー団体や関係者が活用できる、エボラ出血熱に関する情報のパンフレット、5分ドラマ、CM、3つの重要なメッセージを作成
・医療関係者がエボラ出血熱の感染が疑われる患者を治療する際の指針になる作業手順書の発行
・発信する情報を簡単なリベリア英語やGbandi、 Lorma、 Kissi、 Mandingoなどの現地語に翻訳
・地域の保健ボランティア、地域のラジオ局30局、リベリアの宗教議会のメンバーなど、既存の社会動員ネットワークを使用して重要なメッセージを広く拡散
・エボラ出血熱に関する情報をテキスト・メッセージで送るため、リベリアの通信会社2社と交渉を実施中。交渉が成立すれば、50万人以上に送ることが可能になる見込み

シエラレオネ:
エボラ出血熱に関する認識を高めるため、CMの作成や地域のラジオに出演するなど、情報を広めるための技術的支援を実施。

コートジボワール:
95人の保健員に対して感染の疑いのある症例への対処方法の訓練を行い、地域のラジオで認識を高めるためのキャンペーン放送を実施。

セネガル:
ポスターやチラシなどを作成、エボラ出血熱の予防に関するラジオ放送を制作。

* * *

ユニセフはコナクリで啓発活動を実施。
©UNICEF Guinea/2014
ギニア・コナクリでエボラ出血熱の発症を防ぐための啓発活動を行うユニセフのスタッフ。

日本政府は、ギニアで発生しているエボラ出血熱に対するユニセフの活動を支援するため、52万3,602米ドル(約5,390万円※1米ドル=103円で換算)の緊急支援を実施します。この支援は、エボラ出血熱の予防と対応に使用される備品や物資の購入に役立てられます。

ギニア政府とユニセフによる要請を受け、日本政府は、日本とギニアの良好な関係と緊急人道支援の必要性に基づき、今回の支援を決定しました。

この支援は、ギニア国内でエボラ出血熱とほかの感染症が発生している地域の子どもたちとその家族を長期にわたって守ります。ユニセフは、石けんや塩素、防護キットや消毒噴霧器、拡声器、次亜塩素酸カルシウム、下痢用キットなど、エボラへの緊急対応のため、ほぼ在庫がなくなっている物資の購入に今回の支援を活用します。

ユニセフはギニアの持続的な発展を支えるために、可能な限り、現地で資材を購入しています。これまでにも、ギニアの民間企業が製造した石けんや塩素を購入しています。

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