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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ハイチ:
コレラ根絶のために家庭用トイレ普及促進を
屋外排泄ゼロを目指すキャンペーン発足

【2014年7月16日 プルトープランス(ハイチ)発】

汚れた水源から水を汲む女性。(ハイチ)
© UNICEF Haiti
汚れた水源から水を汲む女性。

コレラへの取り組みを強化して取り組んできたユニセフとハイチ政府は、国内での屋外排泄の根絶を目指す国家衛生キャンペーンを発足しました。

屋外排泄ゼロを目指すキャンペーン

本キャンペーンでは、ハイチの10県、55の自治体の住民380万人、学校2,500校、保健センター500施設を対象に実施されます。
ハイチのローラン・ラモット首相は「すべての家庭が安全な水とトイレを利用できなければ、コレラとほかの水に起因する病気は国内で厳しい状況にある家庭にとって脅威となりえます。国連や国際的なパートナーの支援を受けて、すべての世帯での水とトイレの利用を現実のものとできると確信しています」と述べました。

ハイチ国内ではコミュニティによる包括的な衛生アプローチを導入している。
© UNICEF Haiti
ハイチ国内ではコミュニティによる包括的な衛生アプローチを導入している。

コミュニティ主導による包括的な衛生(CLTS:Community-Led Total Sanitation)アプローチでは、コミュニティが行動を変え、主体となって水と衛生の問題に取り組むことが求められています。すでにハイチ国内の3県で導入され、成果を生んでいます。このアプローチは、清潔な飲料水の提供と安全なトイレ施設の使用、また適切な衛生習慣の実施と並行して行われ、コレラの感染拡大を阻止します。

コレラや下痢を防ぐために

ハイチの農村部で、品質的に安心して引用できる水源を利用できるのは2世帯のうち1世帯以下(48%)である一方、都市部では77%が利用可能です。また、近隣の世帯と共有せず、排泄物が適切に処理されるトイレを利用できるのは、都市部では34%ですが、農村部では4世帯のうちわずか1世帯(17%)。こうした環境では、特に雨季になると、コレラや下痢などの感染症にかかる恐れが高まります。

トイレを使用後、子どもの手をきれいな水で洗う母親。(ハイチ)
© UNICEF/UNI165185/Dormino
トイレを使用後、子どもの手をきれいな水で洗う母親。

ユニセフ・ハイチ事務所代表のエドゥアード・ベグベダーは「水と衛生に関する問題に草の根レベルの原因から取り組み、持続可能な解決方法を提供すれば、コレラやその他の下痢性疾患を減らし、家庭内の健康状況も改善できます。だからこそ、本キャンペーンは極めて重要です。コレラと下痢性疾患への取り組みにおいて、新たな章が始まるのです」と述べました。

ユニセフ、給水所やトイレを建設

インフラ整備と組み合わせながら、ユニセフと政府はコミュニティでの取り組みを進めていく予定です。カナダ政府は今後3年間で、コレラへの取り組みならびに乳児死亡率削減のために1,100万米ドル(11億1,100万円※)を支援し、日本政府並びにJICA(独立行政法人国際協力機構)は、2014〜2015年に250万米ドル(2億5,250万円※)の支援を行います。※1米ドル=101円で換算

トイレを使用した後に手を洗う女性。(ハイチ)
© UNICEF/UNI165180/Dormino
トイレを使用した後に手を洗う女性。

ユニセフが現在実施している取り組みでは、コレラ感染の恐れがあるコミュニティに給水所を設け、コレラが流行している場所で人口の最大90%に適切なトイレを提供する予定で、コレラの拡大を阻止し、今後2年間で下痢の発生率を半減することを目指しています。

この取り組みは、昨年の成功例に基づいて実施されています。2013年1月〜3月と比べ、2014年の同時期に、コレラによる死亡と感染は、すでに75%削減されています。

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