| |
![]() |
© UNICEF/NYHQ2007-2855/Pirozzi |
| ホンジュラス、テグシガルパのスラムで子どもを抱く母親(2007年)。 |
この報告書では、ホンジュラスのギャングの一員として、拘留所に収容されている447人を含む4,728人を調査。このうち、60パーセントはサンペドロスラに、21パーセントは首都テグシガルパに暮らしています。この調査で、‘無法地帯’として知られている警察のいない地域やその周辺地区も含めたさまざまな都市で、ギャングが縄張りとして影響を及ぼしていることが明らかになりました。
こうしたグループの20パーセントは女性。一般に、こうした女性たちは、麻薬の販売といった逮捕される可能性のあることに従事させられています。また、他のギャングのメンバーから性的搾取を受けている場合も少なくありません。この調査の中で、組織の中で高い権限を持つような女性は一人もいませんでした。
また、この調査に参加したギャングのメンバーと以前ギャングだったメンバーによると、最もギャングの組織に従事している割合が高いのは、11歳から20歳であることが判明。「拉致されたのです」彼らはこう話します。
ギャングは、学校をターゲットにすることが知られています。いじめたり、お金を盗んだり、脅迫したり、恐ろしい雰囲気を作り出しています。中部地区の5つの中等学校で実施した調査では、参加した教師の91パーセントが、学校は、暴力と嫌がらせの影響を受けていると話しました。
そのために、多くの子どもたちが学校を中途退学し、行動が攻撃的になりはじめ、時には、ギャングに参加することを選ぶ子もいます。一方、親や保護者たちは、子どもたちを違う学校に通わせたり、あまり暴力的でない近隣へ引越したり、また、可能であればボディーガードを雇っている人もいるのです。
しかし、ギャングを好意的にみている人々もいます。この調査で、ギャングは、彼らの評判を改善し、コミュニティでの役割を強化するために、必要な家族に食料を与え、学用品や他の支援物資を提供していることもあることが分かりました。その結果、ギャングがいることによって、より安全で安心できるという人もいるのです。
![]() |
©Courtesy: Honduras Government/2012 |
| PNPRRSのフィリップ・モラレス代表とユニセフ・ホンジュラス事務所のクリスチャン・ムンドゥアテ代表から報告書「Status of Gangs in Honduras—ホンジュラスのギャングの状況(仮)」を手渡されるロサ・エレナ・デ・ロボ ホンジュラス大統領夫人(右)。 |
ユニセフは、PNPRRSと共に、ホンジュラスのロサ・エレナ・デ・ロボ大統領夫人に本報告書を届けました。ロボ大統領夫人は、「この報告書は、暴力の問題についての予防とケア・プログラムの実践に、非常に有益です」と話しました。
PNPRRSのフィリップ・モラレス代表は、「本報告書は、危険にさらされている若者のために、よりよい選択肢を見つけ、生活の場を築く一助となるだろう」と話しました。
ユニセフ・ホンジュラス事務所のクリスチャン・ムンドゥアテ代表は、この問題に無関心でいてはならないと指摘。さらに、「それぞれのコミュニティにおいて、子どもたちの持つ権利が守られている状況の中で、子どもたちが豊かな人生を送るために、私たち全員に役割があります」と、話しました。
ユニセフは、本報告書「Status of Gangs in Honduras—ホンジュラスにおけるギャングの状況(仮)」の作成にあたり、技術的・金銭的な支援を行いました。また、更生プログラムや刺青の除去を通して、以前ギャングだった人々を社会復帰させる、「除去と新たな生活」プログラムを支援しています。
![]()