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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

読み書きや計算 技術を学ぶ
<インド>

カルカッタの中部、ボーバザール地区。まだ午後四時で日も明るいのに街角や建物の入り口には濃い化粧と派手な服装の女性たちが客を見つけようと立っている。中には大きなおなかをした人もいる。ボーバザールは北部のソナガチ地区に次いで古くて大きな売春宿が多い地区だという。安価な腕輪等の装飾品を作る家内工業、その労働者の宿などと混然一体となって売春宿が立ち並ぶ。カルカッタには少なくても1万2千人もの性産業従事者がいると推定されている。

ある小さなビルの3階に案内された。6畳くらいの室内には十数名の女の子が床に座って刺しゅうを習っていた。13歳から15歳くらいの思春期の女の子たちである。彼女等の母親は全て性産業従事者だ。女の子たちはここで生まれ、育ち、小学校ですら通っていない。この地区の外に出ることも限られているという。ユニセフは現地のNGOと協力して性産業従事者の子どもたちに読み書き、簡単な計算、そして生活していくのに必要な知識や技術を教えている。刺しゅうも腕をみがいて少しでも良い収入の道を得て親の生き方を踏襲しなくても済むようにという狙いからだ。

屋上ではやはり、性産業従事者を母親に持つ7歳から10歳くらいの男女の子どもたちに、学校外教育の先生として教えるNGOのスタッフはこう熱心に語りかけていた。「子どもが学ぶこと、遊ぶこと、そして児童労働や性的虐待から守られることは『子どもの権利条約』により保証されているのです。誇りを持って生きてください」

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