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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

■インド BAPプロジェクト(2000年5月〜2001年4月)の報告

第1期および第2期の対象ブロック

教育参加:
2000年7月に実施された「School Chalo Abhiyaan」(入学キャンペーン)期間に、プロジェクトの対象になっている300の村で、合計3,683名の子ども(男児1,890名、女児1,793名)が正規の小学校に入学しました。地元の活動員が村での調査運動中に確認した子どもたちは、親と校長の協力によって小学校に入ることができました。

代替学習:
2001年3月現在、145か所の代替学習センター(ALC)があり、6歳から12歳までの5,185名(女児は63%)の子どもが通っています。センターのカリキュラムや指導・学習法は、物事の前後関係を大切にし、子どもの反応を見ながら進めることを基本にしており、ALCのために作られたクラスIからIIIまでのワークブックは、政府の全国児童労働対策プログラム(NCLP)にも採用されています。

州政府の基礎教育省も、ALCが実施するカリキュラムおよび評価の重要性を認識しており、センターから正規の学校システムに子どもたちを直接受け入れることに同意しました。これまでのところ、ALCで学んだ2,072名の子どもたちが正規の小学校に入学することができました。村単位では、両親や校長とともに定期的な追跡を行ない、子どもたちが中途退学しないよう気を配っています。

女性のネットワーク作り:
女性の自助グループ(SHG)を動員することは、借金−貧困−おとなの失業という、児童労働につながる悪循環を解決するために、プロジェクトが採用している重要戦略です。自助グループは、法外な利率で金を貸す地元業者から逃れるための重要な手段として登場しました。

AuraiブロックのGhamhapur村に、STEP基金と共同で設立された女性向けのじゅうたん技術訓練・製造センターは、自助グループが所有する独立機関として現在機能しています。輸出業者であるTriveni Carpetsさんが女性たちに定期的に仕事を発注します。中間業者が入らないので、女性は高い賃金を受け取ることができます。この試みは他のセンターでも採用されており、Hamidpatti村でも2000年12月から、Dwivedi Carpetsさんと組んで自助グループの24名の女性がじゅうたん作りをしています。

プロジェクトでは、金融機関や、政府の貧困対策自営計画との連携も含めて、自助グループが所得を増やすその他の方法も協議中です。しかし成果をあげるためには、有望な方策を慎重に見極める必要があります。この作業には時間がかかり、進展はまだ見られないと思われます。

第3期の対象ブロック

プロジェクトの第3期は、Suryawan(バドヒ地区)とKohn(ミルザプール地区)の150の村を対象として、このレポートの報告期間に開始されました。これでプロジェクトが網羅した村は全部で450、人口にして114万2,000人になります。

2000年6月、プロジェクト運営ユニット(PMU)は、地元活動員を通じて、50の村を舞台に現場レベルの活動を調整する3つの地域NGOと新たにパートナーを組むことになりました。NGOおよび活動員の選定は2000年7月に完了し、NGO代表者と活動員にプロジェクトの目的、戦略、期待される結果を浸透させるために2日間のオリエンテーションも行ないました。

環境作り:
2000年8月から11月までの4か月間、集中的な社会動員キャンペーン(「Utsah(熱意)」)が展開されました。地元のメディアを活用し、個人間コミュニケーションで補足しながら、村単位の活動チームが計150回の「chaupals(コミュニティーの会合)」を開き、3万1,500名を越える人びとが参加しました。このミーティングは信頼関係を築き、プロジェクトの目標に向けて情報を共有する場になりました。

panchayat(地域自治体)のメンバーを参加させ、協力を取りつけるために、「nyaya panchayat(意思決定力を持つ村連合)」のミーティングも23回開かれました。これでブロック内のnyaya panchayatがすべて網羅されたことになります。

集中キャンペーンの最後を飾ったのが、子どもの権利について学び、その知識をコミュニティーレベルで行動に移し変えていくための5日間の活動員講習会でした。ここで学習した活動員たちは、毎週のように各村を訪問し、NGOレベルで毎週フィードバックを受けたり活動の軌道修正を行なっています。

質の高い教育:
プロジェクトの主眼は、子どもたちを正規の小学校に入れることですが、第1期および第2期の経験から、学校に来ていない子どもたちを教育プロセスに呼び戻すための橋渡し的戦略として、代替学習が有効であることがわかりました。

ミルザプールのKohnブロックで最近実施されたベースライン調査によると、プロジェクトの対象となっている50の村では、5〜14歳の子どもの28%が学校に行っていないことが判明しました。この結果を受けて、2000年5月には32の村で46の代替学習センターを運営する提案がなされました。地域の行政当局および住民代表(pradhans)が全面的に参加して、指導者の選定が行なわれました。2001年4月には、子どもの反応を重視する指導・学習法の基礎研修が10日間にわたって実施されています。センターの場所は地元が提供してくれ、ワークブックなど基本的な指導素材は、プロジェクトに基づいてユニセフが供給しました。

SuryawanブロックのALCは、2001年7月に政府の「School Chalo Abhiyaan(入学キャンペーン)」が終了後、そこから漏れた子どもたちを対象に開設される予定です。

女性のネットワーク作り:
KohnおよびSuryawanブロックでは、女性のグループ作りが始まっています。このプロセスでは集中的な訓練・実習が行なわれ、活動員は自助グループの概念を学ぶとともに、それぞれが担当する村々でモデルグループを作るよう指導されます。最初の学習単位は、ニーズ評価です。2001年4月30日現在、合わせて30のモデル自助グループが活動しています。

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