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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

クリケットチームが女子教育を支援
<インド>

 インド北部ウッタープラデッシュ州から、2人の女の子がタミルナドゥ州にやってきました。教育が彼女たちの生活にどんなに重要なものかを、クリケット・インド代表チームのメンバーに訴えるために。
 タミルダドゥの州都チェンナイではクリケットのアジアカップの準備が着々と進んでいました。インド代表キャプテン、ソーラブ・ガングーリとチームメートは、練習の時間を割いて彼女たちの話に耳を傾け、南アジアの女子教育を支援する強い意志を表しました。

 ニーラム・バーラティ(12歳)とニルジャ・クマーリ(13歳)は、ラクナウ地区のゴドワ村からやってきました。ゴドワ村は洪水のために一年に何度も陸の孤島と化す所です。女性の識字率は19%と州の中で最も低く、先生の数も少なく、就学適齢期の子ども70人に対して、先生は1人しかいません(ちなみに国の平均は生徒40人に先生1人の割合です)。こうした不遇な境遇にもかかわらず、ニーラムとニルジャの勉強への想いは強く、また幸運にも、「パーラ・カダム」という制度のおかげで、その想いが実りつつあります。

 ウッタープラデッシュ州政府とユニセフの支援によって提供されるこの1年間の学校教育は、本来学校に通うべき年齢の時に学校に行くことができなかった若い女性に、質の高い初等教育を受けさせるプログラムです。このプログラムを修了した女の子のうち、90パーセントの子はプログラム修了後も勉強を続けます。

 2人の女の子が、このプログラムからどんなに恩恵を受けているか、火を見るより明らかです。ニルジャはお医さんになりたいと思っています。お姉さんは早くに結婚しましたが、ニルジャは、結婚せずに学校に残りたいと考えています。ニーラムは退屈で、かつて一度学校を辞めてしまいました。しかし今は、学校に行くことが楽しくて、勉強を続けたいと思っています。「いつかこの場所で先生になって、誰も中退しないようにするわ」と彼女は言います。

 南アジアでは、多くの女の子が学校に行っていません。それが、この地方の発展を妨げる大きな要因になっています。4600万人の子どもが学校に通っていません。その6割が女の子です。「女の子のためのフェア−プレー」キャンペーンは、男女の区別無く全ての子どもを学校に通わせることを訴えています。しかし、学校に通わない子どもは、女の子が圧倒的に男の子を上回っていますし、女子教育が、女の子のみならず男の子も様々な恩恵をもたらすという事を考慮して、このキャンペーンは女の子に焦点を当てて展開されています。

 インドチームの9人の選手は、ユニセフが支援する女子教育へのサポートを約束すると表明しました。インドのクリケット選手は、これまでも様々な形で子どもの権利のための強力なパートナとしてユニセフをサポートしてきてくれました。この地方ではクリケットの人気がとても高く、彼らのサポートはかけがえのないものです。

 ニーラムは、クリケットの選手たちに、村の女の子が全員教育を受けられるよう、彼らの絶大な人気と影響力を使って、キャンペーンをサポートしてくれるようにお願いしました。「女子教育はインドだけではなく、世界中で必要なことです」とキャプテンのガングリーは言います。「その一助になるなら、私たちにできることは何でもやりますよ」

2005年9月9日
ユニセフ・インド事務所
アヌパン・スリバスタバ

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