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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

命がけの妊娠、出産に支援制度
<インドネシア>

 妊娠したお母さんが、健康な体でなかったり、出産によって亡くなったりすると、それが子どもの発達に及ぼす影響の大きさは計りしれません。

 インドネシアでは、毎年2万2千人、一日あたり約60人の女性が、妊娠や出産に関連した原因で亡くなっています。昨年から続くインドネシアの経済危機は、この数字をさらに高めるのではないかと懸念されています。というのも、経済的な理由から、保健センターや病院に行くことを断念して、費用のかからない伝統的な助産婦に頼る人が増えているからです。

 妊産婦の死亡にはさまざまな要因が絡みますが、妊婦に何か異常な兆候が表れた時に、保健センターや病院へ行き、産科的な手当てをきちんと受けることができれば、多くの命が救われるはずです。

 ユニセフでは、中部ジャワ地域で、タブリンと呼ばれる貯蓄制度を支援しています。これは、特に生活の苦しい世帯の女性を対象として、出産の前後に、安い費用で保健サービスが受けられるようにするもので、女性たちは、わずかな入会金を支払うだけで、タブリン・プログラムに参加することができます。

 集められた入会金は、地区の銀行に預けられ、妊産婦のケアに必要な医療品などの購入費用、病院までの交通費、病院で手術を待つ間の滞在費をカバーします。会員にはクーポン券が配られ、追加的な費用を払わなくとも、サービスを受けることができるのです。

 この制度を支えているのが、地域に根付いたNGO「家族の福祉活動(PKK)」のネットワークです。10〜20世帯で構成される地区ごとに、世帯の状況や、今、だれが妊娠しているかなどを把握しているPKKのスタッフがいて、出産についての知識を村人たちに伝えたり、タブリン・プログラムへの参加を勧めたりしています。

 タブリン・プログラムは、今年の2月から126の村で、スタートしました。その後、高い関心を集めて、他の7900の村々に広がりつつあり、今や、健康な妊娠と出産を支援するための最も注目されるプログラムとなっています。

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